「メジャーSQ控えロール中心のなか、一段の円高による荒い値動きに注意」 今週の日経225先物は、週末に12月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控え、やや波乱含みの展開には注意しておく必要がありそうだ。 先週は11月30日にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演が予定されていたため、週前半は調整含みながらも2万8000円水準で底堅い値動きが続いた。その後、パウエル議長が講演で、早ければ12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融引き締めペースを減速する可能性が高いことを示唆すると、12月1日には2万8490円まで買われる場面が見られた。ただし、利上げペースの減速が確定的とみられるなか、米長期金利が低下傾向を強めると、為替市場で1ドル=135円前半まで円高・ドル安が進んだことをきっかけに売られ、2日の東京市場は2万7660円まで下落した。 なお、11月の米雇用統計は、非農業部門の就業者数が前月比26.3万人増だった。市場コンセンサス(20万人程度の増加)を上回ったほか、平均時給も予想を上回った。FRBは積極的な利上げを当分継続するとの見方が広がり、2日の NYダウは一時350ドルほど下落したが、売り一巡後は利上げペース鈍化への期待が勝って買い戻しが優勢だった。 円相場は雇用統計の結果を受けて一時1ドル135円台後半まで下げたものの、その後は134円台前半での推移を見せており、引き続き為替の動向には注意する必要がありそうだ。今週は5日に米ISM非製造業景況指数、9日に米卸売物価指数(PPI)の発表が予定されており、これらが予想を下回るようだとドル売り圧力が強まる可能性がありそうだ。 日経225先物は、2日取引終了後のナイトセッションで一時2万7480円まで売られ、75日移動平均線水準まで調整してきた。その後は2万7700円まで買い戻されており、調整幅としては一巡感が意識されやすいだろう。ただし、円高が一段と進んだ場合にはアルゴリズムの発動によるショートが強まる可能性も考えられ、13週、26週線が位置する2万7300円辺りまでの調整は想定しておく必要はありそうだ。 また、週末にメジャーSQを控えているため、限月交代に伴うロールオーバーの商いが中心となるものの、荒い値動きに対してヘッジ対応の動きが強まることから、イレギュラー的な値動きにも注意する必要がありそうだ。そのため、レンジとしては2万7300円~2万8200円辺りを想定しておきたい。 一方で、VIX指数は19.06に低下。一時18.95と19.00を下回る場面も見られ、FOMCを翌週に控えるなかでは積極的にはショートを仕掛けづらい状況でもある。ロールオーバー中心のなかでリバウンド狙いのロングも入りづらいものの、再び75日線を窺うトレンドを見せてくる局面では、短期反発を狙ったロングでの対応となろう。 また、先週のNT倍率は先物中心限月で14.22倍に上昇した。11月28日の安値(ナイトセッションを含む)13.97倍からリバウンド基調を強めてきている。2日には一時14.26倍まで上昇し、75日線に接近していた。短期的にはリバウンド一巡感が意識されるものの、米長期金利が低下傾向を継続するなかでは、指数インパクトの大きい値がさハイテク株へはリバランスに伴うショートカバーの動きが継続すると考えられる。そのため、NTロングに向かわせやすく、相対的に日経平均型優位の展開を想定しておきたい。 11月第4週(11月21日-25日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週ぶりに買い越しており、買い越し額は9895億円(前週は78億円の売り越し)だった。なお、現物は4029億円の買い越し(同169億円の売り越し)と2週ぶりの買い越しであり、先物は5865億円の買い越し(同90億円の買い越し)と3週連続で買い越している。個人は現物と先物の合算で6607億円の売り越しで、2週ぶりの売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で1006億円の売り越しとなり、2週連続の売り越しだった。 経済スケジュールでは、5日に中国11月財新サービス業購買担当者景気指数(PMI)、米国11月ISM非製造業PMI、米国10月製造業新規受注、6日に10月全世帯家計調査、米国10月貿易収支、7日に10月景気動向指数、中国11月貿易収支、米国7-9月期非農業部門労働生産性指数改定値、8日に7-9月期GDP改定値、11月景気ウォッチャー調査、9日に中国11月消費者物価指数(CPI)、中国11月生産者物価指数(PPI)、米国10月PPI、米国12月ミシガン大学消費者態度指数などが予定されている。 ――プレイバック・マーケット―― ●SQ値 01月限 日経225 28266.57 TOPIX 1988.69 02月限 日経225 27835.60 TOPIX 1965.67 03月限 日経225 25457.94 TOPIX 1808.03 04月限 日経225 27122.37 TOPIX 1904.02 05月限 日経225 25951.24 TOPIX 1838.12 06月限 日経225 28122.81 TOPIX 1955.38 07月限 日経225 26659.58 TOPIX 1890.16 08月限 日経225 28525.62 TOPIX 1963.05 09月限 日経225 28253.40 TOPIX 1957.76 10月限 日経225 26666.31 TOPIX 1885.58 11月限 日経225 28225.86 TOPIX 1978.52 ◆日経225先物(日足) 始値 高値 安値 清算値 前日比 22/12 12月02日 28200 28250 27660 27760 -490 22/12 12月01日 28060 28490 27970 28250 +210 22/12 11月30日 28080 28110 27800 28040 -20 22/12 11月29日 28180 28300 27900 28060 -100 22/12 11月28日 28330 28380 28040 28160 -170 ◇TOPIX先物(日足) 始値 高値 安値 清算値 前日比 22/12 12月02日 1984.0 1987.5 1944.5 1951.5 -35.5 22/12 12月01日 1991.5 2004.0 1981.5 1987.0 -3.0 22/12 11月30日 1995.5 1995.5 1975.5 1990.0 -2.5 22/12 11月29日 2008.0 2016.0 1985.0 1992.5 -12.5 22/12 11月28日 2020.0 2025.0 1997.0 2005.0 -15.0 ●シカゴ日経平均 円建て 清算値 前日比 12月02日(12月限) 27710 -50 12月01日(12月限) 28010 -240 11月30日(12月限) 28370 +330 11月29日(12月限) 27990 -70 11月28日(12月限) 28090 -70 11月25日(12月限) 28340 +10 ※前日比は大阪取引所終値比 □裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額) 売り 前週末比 買い 前週末比 11月25日 1892億円 -484億円 5742億円 +861億円 11月18日 2376億円 -2418億円 4880億円 +279億円 11月11日 4795億円 -429億円 4601億円 -608億円 11月04日 5225億円 +421億円 5209億円 -983億円 10月28日 4804億円 +192億円 6193億円 -1912億円 10月21日 4611億円 -962億円 8105億円 -487億円 □裁定取引に係る現物ポジション(株数) 売り 前日比 買い 前日比 11月30日 3143万株 -805万株 2億2382万株 +1990万株 11月29日 3949万株 -713万株 2億0392万株 +335万株 11月28日 4662万株 -75万株 2億0057万株 +353万株 11月25日 4737万株 -444万株 1億9704万株 +1265万株 11月24日 5182万株 -352万株 1億8438万株 +1453万株 11月22日 5534万株 -521万株 1億6985万株 +1635万株 11月21日 6055万株 -385万株 1億5349万株 -1207万株 11月18日 6441万株 -6250万株 1億6557万株 -576万株 11月17日 1億2691万株 -1048万株 1億7134万株 +127万株 11月16日 1億3739万株 -1111万株 1億7006万株 +2906万株 11月15日 1億4851万株 +223万株 1億4100万株 -539万株 11月14日 1億4628万株 +961万株 1億4639万株 -748万株 ■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分) 【2022年】 1月14日 701億円 1月25日 701億円 2月14日 701億円 3月07日 701億円 4月07日 701億円 5月19日 701億円 6月13日 701億円 6月17日 701億円 12月2日 701億円 株探ニュース
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