株価指数先物【引け後コメント】 主要企業の決算を受けたアルゴ発動に振られるも、底堅い値動きを継続

配信元:株探
著者:Kabutan
大阪6月限
日経225先物 29140 -100 (-0.34%)
TOPIX先物 2087.5 -11.0 (-0.52%)

 日経225先物(6月限)は前日比100円安の2万9140円で取引を終了。寄り付きは2万9240円と、シカゴ日経平均先物清算値(2万9225円)を上回り、前日比変わらずで始まった。ただし、開始直後に付けた2万9250円を高値に軟化し、前場終盤にかけて2万9080円まで下落。後場の取引開始後に2万9070円まで売られ、その後、下げ渋る動きも見られたものの、終盤にかけては2万9100円~2万9160円処での保ち合いが続いた。

 9日の米国市場は4月の消費者物価指数(CPI)の発表を控えて、ロングは強まりづらい一方で、持ち高調整の動きが中心だったようだ。また、国内では決算発表がピークを迎えるなか、決算結果のヘッドラインでアルゴリズムが発動する動きも散見された。場中に発表したトヨタ自動車 <7203> [東証P]は買われたものの、日本製鉄 <5401> [東証P]が急落したことで、全体のセンチメントを冷ます格好につながった。

 日経225先物は前場中盤にかけて軟化したとはいえ、2万9000円接近では底堅さが見られ、オプション権利行使価格の2万9125円を挟んで推移していた。決算を手掛かりとしたアルゴリズム発動による仕掛けの動きはあったとしても、スキャルピング中心の短期的な売買だったと見られる。ナイトセッションでは弱い値動きで推移しており、米CPIの発表を前にややショート優勢の動きとなっている。しかし、2万9000円を割り込んだとしても、ボリンジャーバンドの+1σと+2σを挟んだ推移であれば、+1σ近辺での押し目狙いのロング対応になりそうだ。

 なお、NT倍率は先物中心限月で13.95倍に上昇した。13.91倍に低下して始まり、75日移動平均線が位置する13.92倍を下回ったが、その後はNTショートの巻き戻しに向かうなかで再び75日線を上回り、一時13.98倍まで切り返す場面も見られた。

 明日はソフトバンクグループ <9984> [東証P]、東京エレクトロン <8035> [東証P]、KDDI <9433> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさ株の決算発表が予定されているため、結果待ちの流れから再びNTショートに向かう可能性はある。ただし、日本製鉄の弱い値動きが継続するようだと、バリュー株物色に対し神経質にさせてくるため、現物にらみの展開になろう。

 手口面では、日経225先物はドイツが650枚、野村が360枚、JPモルガンが340枚、大和が310枚程度の売り越しに対して、モルガンSが300枚、ソジェンが280枚、三菱UFJが280枚程度の買い越しだった。TOPIX先物はモルガンSが1750枚、ドイツが430枚、三菱UFJが430枚程度の売り越しに対して、BofAが930枚、ABNアムロが760枚、ソジェンが730枚、ゴールドマンが720枚、バークレイズが360枚程度の買い越しだった。

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