今週は小売り大手の2-4月期決算の発表が相次ぐが、この日のホーム・デポ<HD>の決算を受けて消費関連株への警戒感が高まっている。ホーム・デポや同業のロウズ<LOW>のほか、ウォルマート<WMT>も軟調に推移。 ホーム・デポは住宅設備投資の後退、天候不順、木材価格の下落を背景に通期の既存店売上高の見通しを下方修正した。インフレと金利上昇の中で、米消費者の住宅関連支出は減少傾向にあることが示されている。 この日発表の米小売売上高のデータも、いくつかの懸念を抱かせた。自動車とガソリンを除くコア指数が予想を上回り、個人消費の安定を示唆していたが、この数値はインフレ調整がされていない。消費者は裁量的支出をモノからサービスにシフトしており、信用状況も悪化している。これを受けて一部からは、米小売売上高は年後半に弱まる可能性があるとの指摘も出ているようだ。 家計のクレジットカード残高は通常、年明けに減少することが多いが、今年はそれが起こっていない。また、消費者金融の多くで返済の延滞が増加している。現在の米経済はまだ底堅く推移しており、FOMC委員を始めエコノミストの多くも、市場が期待している年内利下げを否定的に見ている。しかし、年後半にかけて米GDP最大の構成要素である個人消費が徐々に圧迫されてくるようであれば、利下げシナリオも現実味を帯びてくる可能性も指摘されそうだ。 (NY時間10:35) ホーム・デポ<HD> 282.66(-5.89 -2.04%) ロウズ<LOW> 197.05(-4.50 -2.23%) ウォルマート<WMT> 151.24(-0.64 -0.42%) ターゲット<TGT> 159.55(+0.06 +0.04%) MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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