CFTC大口投機資金動向(10/10時点):金・原油買いが縮小

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【概略】
 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における10月
10日時点の大口投機家の売り越しは272万3977枚となり、前週の267万
4175枚から拡大した。取組高合計は4205万7976枚となり、前週から10万
4831枚(0.25%)増加した。
 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が2.8%減、債券
合計が1.3%増、為替合計が4.1%減となった。商品市場の取組高は、穀物合計が
0.1%減、エネルギー合計は1.9%減、金属合計は0.3%増となった。
 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式、債券で手じまい売りが
買い戻しを上回って売り越しを拡大した。為替も手じまい売りが買い戻しを上回って売
り越し(ドル買い)を拡大した。

【現在の市場テーマと大口投機家の動向】
 前週は、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスがイスラエルを奇
襲攻撃し、中東情勢の先行き懸念が高まった。イスラエルは約30万人の予備役を招集
し、ガザ市住民に南部へ退避するよう通告した。米国債や金が安全資産として買われ、
原油も急伸した。中東情勢の先行きを確認したい。また9月の米消費者物価指数(CP
I)が予想以上となったことを受けて米連邦準備理事会(FRB)が高金利を長期間維
持するとの見方が強い。今週は9月の米小売売上高などの発表がある。
 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が9万9476枚売り越し(前週11万
3988枚売り越し)、ユーロは7万5532枚買い越し(同7万8943枚買い越
し)、英ポンドは1万0048枚売り越し(同6680枚売り越し)となった。ユーロ
は手じまい売りが買い戻しを上回って買い越しを縮小した。

 商品市場では、原油がイスラム組織ハマスがイスラエルを奇襲攻撃したことを受けて
週明けに急伸したが、利食い売りなどが出て上げ一服となった。ただイスラエルがパレ
スチナ自治区ガザの住民に南部へ退避するよう通告すると、急反発した。貴金属市場で
は、金が中東情勢の緊迫化を受けて急騰し、9月20日以来の高値1932.40ドル
を付けた。
 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が32万1974枚買い越し(前
週34万9560枚買い越し)に縮小した。手じまい売りが買い戻しを上回った。ニュ
ーヨーク金は7万1433枚買い越し(同9万1226枚買い越し)に縮小、ニューヨ
ーク・プラチナは36枚売り越し(同2616枚買い越し)に転じた。金は手じまい売
り、新規売りが出て、プラチナは新規売りが新規買いを上回った。

 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが6万4784枚売り越し(前週10万
7544枚売り越し)に縮小、大豆は2万3378枚買い越し(同2万2503枚買い
越し)に拡大した。コーンは新規買い、買い戻しが入り、大豆は新規買いが新規売りを
上回った。前週のコーンは、米農務省(USDA)需給報告でイールドが引き下げられ
たことを受けて押し目を買われたが、中東情勢の緊迫化に上値を抑えられた。
MINKABU PRESS 東海林勇行

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