●論点解説原油、イスラエル向け石油禁輸の議論=マーケットエッジ

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
 イラン外務省は、イスラエル向けの石油輸出禁輸を提案した。しかし、石油輸出国機
構(OPEC)の他産油国からの賛同は得られていない。軍事行動に必要なエネルギー
供給抑制は、対イスラエル政策としては有効なカードだが、そもそもOPECは「原油
の武器化」には慎重である。OPECはあくまでも石油市場の安定を目指すための組織
と位置付けられており、政治を巡る議論とは距離を保っている。OPECが「原油を武
器化」すれば、それはOPEC産原油に依存することのリスクを高め、更に脱石油の議
論も活発化させるリスクがある。2022年のウクライナ戦争を受けて西側諸国はロシ
ア産原油輸出を阻害する、購入しないといった形で「原油の武器化」を進めたが、OP
ECは政治目的で「原油の武器化」は行わないという点で、一致を見せている。
(マーケットエッジ・小菅 努)

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