NY原油市況=総じて小幅安、IEA月報やドル安・米株高の上昇幅失う

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
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ニューヨーク原油(NYMEX)

              始 値     高 値   安 値  帳入値   前日比
  2023/12     78.53      79.77      77.79     78.26        0.00
  2024/01     78.48      79.65      77.73     78.17       - 0.02
  2024/02     78.26      79.39      77.52     77.98       - 0.01
  推定出来高        前日出来高      前日取組高 (前々日比)
    611,020             621,102              1,645,459   (- 10,111)
                  帳入値  前日比
ヒーティングオイル  2023/12     283.71    - 0.22
                   2024/01     277.92    + 0.27
改質ガソリン        2023/12     222.28    - 1.31
                   2024/01     220.06    - 0.87
注:4本値は立会い取引終了までの値段で、立会い取引終了後の電子取引の値段は含み
  ません。電子取引が立会い取引までの高値および安値を更新した場合、相場表の高
  値および安値と市況内の相場表の4本値は異なります。
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 ニューヨーク原油は総じて小幅安。終値の前営業日比は期近2限月が0.02ドル安
〜変わらず。その他の限月は0.29ドル安〜変わらず。
 10月の米消費者物価指数(CPI)発表のあと大きくドル安に振れ米株も上昇する
なか、前日の石油輸出国機構(OPEC)に続き国際エネルギー機関(IEA)が月報
で、2023年、2024年ともに世界石油需要の伸びを上方修正したことに支援され
て戻り高値をさらに更新した。しかし米国の時間帯後半には高値を維持できずその上げ
幅を失う展開となった。引け後に発表される米石油協会(API)の週報で先週に続き
原油在庫が急増するとの思惑が手じまいを加速させた。
 12月限は、アジアの時間帯の時間外取引では78ドル台半ばを中心にこう着した値
動きとなった。そのあと欧州の時間帯にはやや軟化して78ドル台前半のもみ合いとな
り、米国の時間帯序盤にこの日の安値となる77.79ドルを付けた。しかしその後は
大幅なドル安進展や米株高を背景に大きく戻す展開となり、直近の戻り高値を更新して
79.77ドルまで急伸した。しかし後半はその上げ幅を完全に失う展開となり、78
ドル台前半まで反落した。
 この日発表されたIEAの月報では、2023年、2024年ともに世界石油需要の
伸びが上方修正された。まず2023年の世界石油需要の伸びは前年比日量240万バ
レルと、前月の同230万バレルから上方修正された。うち同180万バレルの伸びは
中国の増加分になるという。これにより同年の世界石油需要は同1億0200万バレル
に増加する見込み。
 また2024年の世界石油需要の伸びも同93万バレルと、前月の90万バレルから
上方修正された。これにより同年の世界石油需要は同1億0293万バレルと過去最高
になる見込み。

 この日発表された10月の米消費者物価指数(CPI)は総合指数が前月比横ばい、
コア指数も同0.2%上昇と、ともに事前予想を下回った。米インフレの後退で、ドル
安進展、米株高の反応となった。

 米国自動車協会(AAA)はこの日、23日のサンクスギビンクデーの祝日に続く週
末にかけて、全米で5540万人が自宅から50マイル以上移動するとの見通しを発表
した。これは2000年代に入って3番目の人出の多さとなる。

 石油タンカーなどの追跡調査会社、ヴォルテックサによると、11月10日現在の世
界洋上原油在庫(タンカーなどに積載)は前週比26%減の5817万バレルとなっ
た。これは2年9カ月ぶり低水準。
 改質ガソリンは反落、ヒーティングオイルは総じて小幅続伸。ガソリンはマイナス引
けしたが、ヒーティングオイルは総じてクラック・スプレッド(製品と原油のサヤ)を
拡大させた。なおクラック・スプレッドは1カ月半ぶりの高水準にある。
今日の材料
・2023年、2024年ともに世界石油需要の伸びを上方修正。2023年が日量
 240万バレル増、2024年が同93万バレル増=IEA月報
・10月の米消費者物価指数(CPI)は総合指数が前月比横ばい、コア指数も同
 0.2%上昇と、ともに事前予想を下回る。
・サンクスギビングデーの週末は2000年代で3番目の人出見込み=AAA
・11月10日現在の世界洋上原油在庫(タンカーなどに積載)は前週比26%減の
 5817万バレルと、2年9カ月ぶり低水準=ヴォルテックサ

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