【前週のレビュー】OPECプラス会合は「事実で売る」展開となり、月末の手じまい 売りが加速した。チャート的には80ドル台乗せに失敗し75ドル水準まで崩れた形と なっているが、目先はどこで下げ止まるのかが注目されるとした。 【NY原油は70ドル台割れからの下値余地に注目】 ニューヨーク原油1月限は、前回の当欄で下値メドとした72.37ドルを大きく下 回り、7日には68.80ドルまで崩れて、7月以来の70ドル台割れとなった。 1月限ベースで今年の安値である3月20日の64.37ドルから今年の高値である 9月28日の90.27ドルまでの上げ幅の78.6%押しの69.91ドルを既に割 り込んでいる。また期近のつなぎ足ベースでも今年の安値である5月4日の63.57 ドルから今年の高値である9月28日の95.03ドルまでの上げ幅の78.6%押し の70.31ドルを既に割り込んでいる。 目先はどこまで下値余地があるのかが注目されるが、まだセリング・クライマックス が来ていないと見れば、全値押しは1月限ベースなら64.37ドル、期近つなぎ足ベ ースなら63.57ドルまで下値余地が拡大する。仮にそうなれば、米FOMC声明文 が公表される13日の新月辺りに底入れするシナリオが描ける。1月限の納会前にもう 一段安が仕掛けられるか。また13日にはOPEC、14日にIEAの月報がそれぞれ 発表される。 なお本稿執筆時の8日の午後には70ドル台前半まで戻している。 材料的には、OPECプラス会合が失望視された流れで、下落相場の常套文句である 景気減速懸念が再びクローズアップされている。チャートが崩れたことで、テクニカル 面からの売り圧力も強まった。現状は一時的な70ドル台割れで売り方の達成感がひと まず出ているが、8日に発表される11月の米雇用統計、さらに13日の米FOMC声 明文公表など通過した時の値位置がどうなっているが注目される。 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価はさらに上昇して、3万6000ドル 台に乗せてきた。今後天井感が出て来るか否かが年末に向けての焦点となりそうだ。 ドルインデックスは戻りも104ポイント台で頭打ちとなり、直近は103ポイント 台半ばまで崩れた。 原油相場にとってはともに追い風と言える形。 【11月の中国の原油輸入、前年同月比で9.2%の急減】 7日の中国の税関総署の発表によると、11月の同国の原油輸入は4244万500 0トン(日量1033万バレル)となり、前年同月比で9.2%も急減した。前年同月 比で減少したのは今年4月以来となった。また前月比でも10.5%も急減した。水準 自体も7月以来の低水準。 なお今年1〜11月の累計は5億1565万トン(同1127万バレル)で前年比1 2.1%増となっている。 【東京原油、ガソリンのテクニカル分析】 東京原油先限は大きく底割れして6万0880円まで崩れ、下降中のボリンジャーバ ンドの−2シグマ(6万2210円辺り)を下放れた。 ガソリン先限は名目値で急伸して8万1000円と、ボリンジャーバンドの2シグマ (8万0840円辺り)を上回っている。 【NY原油のテクニカル分析】 ニューヨーク原油1月限は7月以来の70ドル台割れとなり、7日には68.80ド ルまで崩れて、下降中のボリンジャーバンドの−2シグマ(70.20ドル辺り)を下 放れた。 MINKABU PRESS *投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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