ゴム週間見通し=売り優勢、一段の円高なら期中5月限は230円割れも

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【前週までのレビュー】中国景気の回復の遅れやテクニカル面からは支持線を割り込ん
だことで、下値を試しやすいとみた。
【ファンダメンタルズに変化なし、売り優勢】
 JPXゴムRSS3号の活発限月の5月限は、売りが先行している。12月8日に
は、一時234.7円まで下落する場面があった。すぐに238円付近まで戻したが、
戻りは鈍い。11月29日以降、弱地合いが継続し、230円が視野に入っている。
 ファンダメンタルズには、大きな変化はみられない。ただ、ドル・円が急激な円高に
振れている。11月中旬からジリジリと上昇し、151.90円前後までのドル高・円
安となっていたが、7日には141円台後半までの円高に振れる場面があった。今年
は、年初から円安基調となっていただけに、円の売りポジションはまだ溜まっていると
みられる。もう一段の投げが出るようなら、瞬間的に140円割り込む可能性がある。
ゴム相場にとって、弱材料になる。
【上海ゴムは一代の安値を目指すか】
 上海ゴムの中心限月1月限は、売りが優勢となりそうだ。上海ゴムの中心限月5月限
は、11月29日に節目の1万4000元を下抜くと、12月4日には9月8日の高値
1万4640元、10月16日の高値1万4850元、そして11月17日の高値1万
4750元で形成される三尊天井のネックラインにあたる9月28日の安値である1万
3680元を終値ベースで割り込んだ。その後、下げは加速し、12月6日には1万
3115元まで下落した。現状、節目の1万3000元手前でのもみ合いとなっている
が、戻りも鈍く、8月16日に付けた一代の安値1万2735元が視野に入ってきた。

【中国の内需は弱い】
 12月7日に中国税関総署が発表した11月中国貿易収支(ドル建て)をみると、
683億9000万ドルの黒字となった。輸出が前年同月比0.5%増となったが、輸
入は0.6%の減少となっている。昨年のこの時期、中国は厳格なゼロコロナ政策が実
施されていた。このため前年同月の輸入は低調であったが、その時期と比べてもさらに
輸入が減少しており、中国の景気回復の遅さ、内需の弱さを物語っている。世界最大の
天然ゴム消費国である中国の内需が回復しなければ、天然ゴム価格の戻りも鈍いだろ
う。
【JPXゴム活発限月の3月限のテクニカル要因】
 ゴムRSS3号の活発限月の5月限は、売り優勢となった。直近1カ月の値動きをみ
ると、11月上旬は260円前後でもみ合いとなったのち、11月中旬から買い意欲が
高まり、17日には一代の高値となる277.2円まで上昇した。だが、同水準で上値
が重くなると、22日には261.9円まで下落した。29日に271.9円まで戻し
たものの、同水準では戻り売りを浴び、12月1日には255.0円まで下落した。そ
の後、下値を模索する展開となり、12月8日には234.7円まで水準を引き下げ
た。
 売りが先行すれば、終値ベースで節目の235.0円を割り込むか注目したい。同水
準を下抜くと、230.0円が意識される。この価格帯は、出来高を伴った取引がされ
ていないことから、値動きが軽く、急落する可能性があるので注意したい。
 一方、買いが先行すれば、250円台回復に注目したい。12月5日は250円の手
前で切り返されており、250円台にしっかりと乗せれば、買いに勢いが付き、節目の
255.0円や260.0円を視野に入れた展開となろう。
【今週の注目ポイント】
 ドル・円相場に注目したい。これまでの円安基調が一気に巻き返されており、141
円台まで円高が進む場面があった。ドル・円が一段と下落し、140円割れとなれば、
ゴム相場にとっても弱材料となる。
【相場予想レンジ】
 12月11日〜15日のゴムRSS3号5月限の中心レンジ予想は225〜260
円。テクニカルの支持線は230.00円(節目)、抵抗線は250.0円(節目)。
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