【場況】 金が反落、銀は4月限が下落。金はニューヨーク安を受けて売り優勢で始まった。そ の後、円安やドル建て現物相場の堅調が下支えになったが、戻りは売られた。銀は4月 限が下落した。 午前11時2分現在の前営業日比は、金標準が58〜21円安、金ミニが48.0〜 8.0円安、ゴールドスポットが18円安、銀が1.9円安。 午前11時2分現在の出来高は、金が2万4514枚、金ミニが4186枚、ゴール ドスポットが4618枚、銀が1枚。 【NY金は早期利下げけん制発言が圧迫】 金は米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げをけん制する発言が圧迫要因になっ た。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、金融当局の関心事はインフレ率を2%に 下げるために十分に金融政策が景気抑制的かどうかであり、金利を3月にも引き下げる ことを考え始めるのは早過ぎると述べた。11月の米鉱工業生産指数は、製造業の生産 指数が0.3%上昇となった。全米自動車労働組合(UAW)のストライキ終結を受 け、自動車生産台数が部分的に回復したとが寄与した。ただ他部門は低調で、市場予想 0.4%上昇には届かなかった。鉱工業生産指数は0.2%上昇。10月は0.9%低 下だった。12月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は51.0と11月の 50.7から上昇し、5カ月ぶりの高水準となった。新規受注指数と雇用指数が上昇し た。米経済の成長が第4四半期に急速に鈍化するとの懸念を和らげる可能性がある。 シカゴ連銀のグールズビー総裁は、インフレとの闘いで勝利を宣言するのは時期尚早 だとし、利下げの判断は今後の経済データ次第になるとの考えを示した。CMEのフェ ドウォッチでは来年3月に利下げが開始され、来年末の政策金利は3.75〜4.00 %となることを織り込んでいる。米連邦公開市場委員会(FOMC)で当局者が来年3 回の利下げを予想したのに対し、市場では6回の利下げを織り込んでおり、行き過ぎと みられる。 12月のユーロ圏のHCOB総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は47.0と 前月の47.6から予想外に低下した。事前予想は48.0。域内経済が景気後退に 陥っていることはほぼ確実とみられる。ただ欧州中央銀行(ECB)の政策担当者ら は、3月の理事会までに金利を高水準に維持する必要性に関するメッセージを変えるこ とはない見通し。 金先限は夜間取引で9224円まで下落した。ニューヨーク安が圧迫要因になった。 円相場は1ドル=142円台前半の円安に振れた。 【ドル建て現物相場】 金のドル建て現物相場は、上げ一服。前週末の海外市場では、米連邦準備理事会(F RB)の早期利下げをけん制する発言を受けて売り優勢となった。アジア市場では、朝 方の2018.79ドルから、押し目を買われ、2023ドル台まで上昇したが、買い 一巡後は上げ一服となった。 午前11時現在、2019.11ドルで推移。銀は2381セントで推移。前営業日 の大引け時点は金が2035.74ドル、銀が2409セント。 MINKABU PRESS
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