【前週までのレビュー】円高が下落を主導し、ドル・円が140円割れとなれば、5月 限は230円を割り込む可能性があるとした。 【245円前後の攻防に注目】 JPXゴムRSS3号の活発限月の5月限は、12月20日に時232.5円まで下 落後、戻り場面となっている。22日には243円付近まで水準を引き上げた。目先の ポイントは、12月7日以降、戻りを抑えて245円前後の攻防になる。同水準で切り 返されるようなら、売り圧力が強まり、再び230円を目指した動きとなりそうだ。 ファンダメンタルズに、大きな変化はない。ただ、上海ゴムが地合いを引き締めてお り、節目の1万4000元を突破できれば、JPXゴムRSS3号の戻り余地が拡大す る。ただ、ドル・円相場は依然として下降トレンドが継続されている。ドル・円が一段 安となれば、JPXゴムRSS3号の戻りを抑えるだろう。 【上海ゴムは1万4000元の攻防に注目】 上海ゴム5月限は、1万4000元の攻防が焦点になりそうだ。5月限は、12月4 日に9月8日の高値1万4640元、10月16日の高値1万4850元、そして11 月17日の高値1万4750元で形成される三尊天井のネックラインにあたる9月28 日の安値1万3680元を終値ベースで割り込むと、下げが加速し、12月6日には 1万3115元まで下落した。その後、戻り場面となっており、22日に1万3880 元まで上昇する場面があった。節目の1万4000元では、戻り待ち売りが控えている とみるが、これを吸収できれば、11月17日の高値1万4750元を目指そう。一 方、切り返されるようなら、1万3500元を下抜き、6日の安値1万3115元を目 指す可能性がある。 【中国の政策金利据え置きも金融緩和は拡大】 20日、中国人民銀行(中央銀行)は、銀行貸出金利の指標となる最優遇貸出金利 (ローンプライムレート、LPR)を市場の予想通り、1年物を3.45%、5年物は 4.20%にそれぞれ据え置いた。これは、先週、1年物中期貸出制度(MLF)融資 の金利を据え置いたため、利下げ余地がなかったためだ。 ただ、中国は現在、デフレ圧力にさらされており、通貨当局は一段の金融緩和を進め るとみられる。15日には、1年物MLF融資をロールオーバーし、差し引きで800 0億元と月間ベースで過去最大の資金供給を決定した。これを受けて、上海総合株価指 数が反発を開始するなど、金融市場では金融緩和の効果が出ている。上海ゴムにとって も支援材料になる。 【東京ゴム活発限月の3月限のテクニカル要因】 ゴムRSS3号の活発限月の5月限は、戻り歩調となってきた。直近1カ月の値動き をみると、11月中旬から買い意欲が高まり、17日には一代の高値となる277.2 円まで上昇した。だが、同水準で上値が重くなると、22日には261.9円まで下落 した。29日に271.9円まで戻したものの、同水準で戻り売りを浴び、12月1日 に255.0円まで下落した。その後、円高などを背景に下値を模索する展開となり、 12月20日には232.5円まで水準を引き下げた。だが、同水準で支持されると、 徐々に買いが先行し、22日には243円付近まで戻している。 一段高となれば、12月7日以降、戻りを抑えて245円前後に注目したい。この水 準を突破出来れば、買いに勢いが付き、節目の250円や255円を目指した展開にな るとみる。 一方、節目の240円に注目したい。終値ベースで同水準を下抜くと、再び売り圧力 が強まり、節目の235.0円や22日の安値232.5円を意識した展開になりそう だ。安値更新となれば、節目の230.0円がターゲットになる。 【今週の注目ポイント】 ドル・円相場に注目したい。ドル・円は19日に144.95円前後まで戻したが、 再び売り叩かれ、22日には141円台に沈む場面があった。年末で商いが薄いタイミ ングで下攻めとなれば140円割れを試す可能性もある。ゴム相場にとって弱材料とな る。 【相場予想レンジ】 12月25日〜29日のゴムRSS3号5月限の中心レンジ予想は225〜250円。 テクニカルの支持線は232.5円(12月20日の安値)、抵抗線は245.0円 (節目)。 MINKABU PRESS ※投資や売買は御自身の判断でお願いします。
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