貴金属4品週間見通し=金は年内利下げ着手観測や米財政不安などで底堅い

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
<金>
 NY金2月限は昨年末にかけ上伸し2100ドルに迫る動きを見せていたが、年明け
から軟化に転じ3日に2038.3ドルの安値を記録。4日は小反発となり、2050
ドル台を回復したものの、2060ドルに近づくと頭が重くなる動きを呈している。
 金は米国の利下げ着手を織り込む形で値位置を切り上げてきたが、材料を織り込み、
上げ一服感を強めた。ただ、3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下の米げ着
手を見込む比率は65.7%となっており、87%台に達していた昨年末に比べると利
下げ見通しはやや後退している。
 4日に発表された12月のADP全米雇用報告が予想を上回る強気な内容だったこと
に加え、新規失業保険申請件数も減少し解雇の動きが滞っていることを示すなど、米雇
用情勢は底堅さを見せている。
 また、米消費者物価指数(CPI)も総合CPIは5カ月に渡って3%台での推移が
続いているほか、食品とエネルギーを除いたコアCPIも6月〜11月は4%台で推移
が続くなど急速に低下した後に下げ渋りが続いており、連邦準備理事会(FRB)が目
標とする2%到達までに時間を要する可能性を窺わせている。
 FOMCでは現在のFFレートの誘導目標がピークまたはピークに近い水準にあるこ
とについて言及されながらも、それが直ちに利下げ着手に結び付くことを示したことは
なく、利下げの議論についてもごく初期段階のものが交わされたことが明らかにされる
にとどまっている。
 米国のインフレは人手不足を背景とした賃金引き上げによる影響も受けているため、
インフレ率の緩和のためには雇用情勢の緩和が必須条件となる.一時期に比べ雇用情勢
は緩和傾向にあり,ひっ迫に対する警戒感は和らいでいるが、実際に賃金押し上げ圧力
が後退する程度にまで緩和が進んでいるかどうかを確認するまでには時間を要すると見
られる。その一方で高金利環境が長期に渡るようであれば、米財政悪化に対する警戒感
がさらに深まると予想される。
 既に米財政悪化を受けたドルの信認低下は中央銀行による金購入の動きを活発化させ
ている。また、SPDRの金ETF残高も昨年10月19日に848.24トンを記録
して以降、緩やかな増加傾向にあり金価格の落ち着きに伴い880トンを割り込んだと
はいえ、1月4日時点で874.21トンと870トン台を維持している。
 米利下げ期待に伴う騰勢には一巡感が強く、利下げ期待も強気な雇用統計を受けて後
退した形となっているが、今年は利下げ着手が見込まれるうえ、米財政悪化や地政学不
安といった逃避買い需要を刺激する材料が見受けられることもあり、NY金2月限は
2050ドル前後という値位置を維持したうえでの高下が続きそうだ。
<銀>
 NY銀3月限は年明けから崩れ、3日に2376セントまで下落。4日に昨年12月
13日以来の低い水準となる2288セントまで軟化している。
 利下げ期待が後退するなかNY金が値位置を切り下げたことに連動する動きとなって
いるが、金に比べて安全資産としての役割に乏しいことが価格に反映されている。
 チャート面で売り一巡感が強いだけに、ここから先の下げ余地は乏しいと見られる
が、買い支援要因も見受けられないため2300セント前後で推移することになるか。
<白金>
 NY白金4月限は昨年12月28日に1031ドルまで浮上したが、その後は続落に
転じ、4日には964.2ドルと12月20日以来の水準まで軟化。金が利下げ観測を
受けて上昇するなか、これに遅れて追随したものの上げ一服感から崩れた形となってい
る。
 ただ、ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)が2024
年の世界プラチナ需給は35.3万オンスの供給不足になるとの予測を示しているた
め、白金は需給引き締まり観測に支えられることになりそう。
 急伸前の水準となる960ドル前後が目先の下値支持線となるとみる。売り一巡感が
強まると、950〜1000ドルのレンジで推移すると予想する。
<パラジウム>
 パラジウム3月限は12月14日から19日にかけて急伸し、1000ドル前後から
1250ドル前後までの伸びを見せたが、その後は崩れ、今月4日時点では1045ド
ルでNYの日中取引を終えている。
 白金や金の上昇に追随したものの、安全資産としての役割が乏しい上、需給ひっ迫が
警戒されているわけではないことから、戻り売りを浴びた状態になっている。
 1050ドルの節目で下げ渋りに転じることが出来れば昨年11月下旬にもちあった
水準に復帰することが見込まれるが、これを割り込むようであれば1000ドルの節目
が次の下値目標になってきそうだ。
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