【概略】 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における1月 30日時点の大口投機家の売り越しは289万1130枚となり、前週の261万 9541枚から拡大した。取組高合計は4399万8378枚となり、前週から60万 4132枚(1.4%)増加した。 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が2.0%増、債券 合計が1.1%増、為替合計が0.9%増となった。商品市場の取組高は、穀物合計が 1.8%増、エネルギー合計は3.2%増、金属合計は4.8%減となった。 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で新規売りが新規買いを 上回って売り越しを拡大し、債券で手じまい売り、新規売りが出て売り越しを拡大し た。為替は新規買いが新規売りを上回って買い越し(ドル売り)を拡大した。 【現在の市場テーマと大口投機家の動向】 前週は、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が3月利下げを否定した。また1 月の米雇用統計が堅調な内容となり、利下げ観測が後退した。一方、米地銀に対する懸 念が出ており、株価の行方を確認したい。 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が8万0455枚売り越し(前週7万0645 枚売り越し)、ユーロは8万8771枚買い越し(同8万8324枚買い越し)、英ポ ンドは3万4153枚買い越し(同3万1437枚買い越し)となった。ユーロは新規 買いが新規売りを上回って買い越しを拡大した。 商品市場では、原油はイスラエルとイスラム組織ハマスの停戦交渉や予想以上の米雇 用統計を受けて売り優勢となった。貴金属市場では、金が米連邦準備理事会(FRB) の利下げ見通しを受けて堅調となったが、予想以上の米雇用統計を受けて上げ一服とな った。 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が19万6664枚買い越し(前 週18万4018枚買い越し)に拡大した。新規買い、買い戻しが入った。ニューヨー ク金は14万7791枚買い越し(同16万9474枚買い越し)に縮小、ニューヨー ク・プラチナは1万1549枚買い越し(同8341枚買い越し)に拡大した。金は手 じまい売りが買い戻しを上回り、プラチナは買い戻しが手じまい売りを上回った。 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが22万4832枚売り越し(前週21万 9200枚売り越し)、大豆は14万0577枚売り越し(同10万5994枚売り越 し)に拡大した。コーンは新規売りが新規買いを上回り、大豆は手じまい売り、新規売 りが出た。前週のコーンは、予想以上の米雇用統計を受けて戻りを売られた。 MINKABU PRESS 東海林勇行
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