[今日の視点]貴金属=総じて上昇、金は円安が支援

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
 貴金属は、総じて上昇して寄り付く見通し。金は円安を受けて買い優勢となろう。プ
ラチナ系貴金属(PGM)はプラチナがニューヨーク高と円安を受けて堅調となろう。
 午前8時10分現在の現物相場は前営業日の引け時点と比べ、金は1.53ドル高の
2033.96ドル、銀が28セント高の2257セント、プラチナが0.82ドル高
の884.50ドル、パラジウムは5.51ドル安の888.50ドル。
 午前8時10分現在のドル・円相場は1ドル=149.26/27円で、前営業日の
大引け時点から0.62円の円安。
 先限の寄り付き目安は、金が9762円前後、銀は108.1円前後、プラチナは
4310円前後、パラジウムは4400円前後。
【NY金は米労働市場の堅調も下げ一服】
 金はきのうの海外市場では、、米新規失業保険申請件数で労働市場の堅調が示された
ことを受けて軟調となったが、ドル高一服を受けて下げ一服となった。
 金は米新規失業保険申請件数で労働市場の堅調が示されたことが圧迫要因になった。
米新規失業保険申請件数は9000件減の21万8000件と、予想以上に減少した。
このところの解雇増にもかかわらず、労働市場の基調的な力強さが改めて示された。ま
た欧米の金融当局者の利下げに慎重な発言が目立ち、米国債の利回りが上昇した。欧州
中央銀行(ECB)理事会メンバーのウンシュ・ベルギー中銀総裁は、ECBは賃金に
関するデータが得られるまで利下げを待つのが望ましいと発言。シュナーベル専務理事
も、ECBは利下げに忍耐強く取り組むべきとの認識を示した。米ボストン地区連銀の
コリンズ総裁は、インフレが持続的に2%の目標に向け鈍化していることが指標によっ
て裏付けられれば、年内に合計で約0.75%ポイントの利下げが適切になるという見
解を示した。ただドル高が一服すると、買い戻されて下げ一服となった。市場では13
日に発表される1月の米消費者物価指数(CPI)が注目されている。
 イスラエル軍は、パレスチナ自治区ガザ最南部のラファを爆撃した。エジプトとの境
界近くにあるラファにはガザ地区の人口の半数を超える100万人以上の避難民が集ま
っており、米国はこうした攻撃は支持しないとの立場を明確に示した。中東情勢の行方
も確認したい。
 1月末の中国の外貨準備の内訳によると、金保有量は前月末比10トン増の2245
トンとなった。15カ月連続で増加した。中国国民の金需要も指摘されている。
 銀はきのうの海外市場では、ドル高一服をきっかけに買い戻されて反発した。
【NYプラチナはドル高一服で買い戻される】
 プラチナはきのうの海外市場では、米労働市場の堅調が圧迫要因になったが、ドル高
一服をきっかけに買い戻された。
 プラチナはドル高一服をきっかけに買い戻された。米新規失業保険申請件数で労働市
場の堅調が示されたが、手じまい売り一巡後は下げ一服となった。900ドル割れの水
準で割安感が出ており、買い戻しが入りやすい。一方、パラジウムは米連邦準備理事会
(FRB)の利下げ観測後退などを受けて売り優勢となり、プラチナと同じ値位置とな
った。
<今日の予定>
・独消費者物価指数 2024年1月確報(連邦統計庁)
・建玉明細報告(CFTC)
MINKABU PRESS 東海林勇行

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