[2月26日からの1週間の展望] −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 週間高低(カッコ内は日) 2024 年 12 月限 2 月 19 日〜 2 月 22 日 始 値 高 値 安 値 帳入値 前週末比 金 9,686 9,807 (22) 9,657 (19) 9,805 +124 銀 110.3 112.0 (20) 110.0 (19) 112.0 +3.0 プラチナ 4,340 4,392 (21) 4,300 (22) 4,313 -20 パラジウム 4,500 4,700 (21) 4,500 (19) 4,700 +200 ====================================== NY貴金属(カッコ内は限月) | 東京外為・株式/NY原油 23 日終値 前週末比 | 終 値 前週末比 金 ( 4) 2,049.4 +25.3 | ドル・円 150.27 0.03 円安 銀 ( 3) 2,298.2 -49.3 | 日経平均 39,098.68 +611.44 プラチナ ( 4) 909.6 -3.9 | NY原油 ( 4) 76.49 -1.97 パラジウム ( 3) 988.50 +35.70 |* ドル・円は15時15分現在、原油は 23日 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【前回のレビュー】 金は米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測後退が圧迫要因、とした。 金は米生産者物価指数(PPI)が予想以上となったが、米国の連休を控えてドル高 が一服すると、下げ一服となった。英国やカナダの国債利回りが低下し、米国債の利回 りが低下したことも支援要因になった。現物相場は9日以来の高値2031.93ドル を付けた。金先限は昨年12月以来の高値9807円を付けた。 1月の米生産者物価指数(PPI)は前月比0.3%上昇となった。事前予想の 0.1%上昇を上回り、昨年8月以来の伸びとなった。一方、1月の米一戸建て住宅の 着工件数は同4.7%減の100万4000戸だった。厳しい天候条件が影響したとみ られている。2月の米ミシガン大消費者信頼感指数速報値は79.6と前月の79.0 から上昇した。ただ事前予想の80.0は下回った。米連邦公開市場委員会(FOM C)議事録では、金利をいつまで現行水準に維持すべきかに不透明感が存在する中、政 策担当者の大半が尚早な利下げに対する懸念を示していたことが分かった。CMEのフ ェドウォッチで、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ開始は6月との見方に変わりは ない。 中東の先行き懸念が残っていることは下支え要因である。イスラエルの戦時内閣に加 わっているガンツ前国防相は、人質が3月第2週ごろに始まるラマダン(断食月)まで に解放されない場合はパレスチナ自治区ガザ最南部ラファに戦闘を拡大すると述べた。 エジプトはイスラエルがラファに侵攻した際に備え、脱出するパレスチナ難民を収容で きる施設を整えた場所をガザとの境界付近に構築していることも伝えられた。一方、米 国は、パレスチナ地区ガザにおける一時停戦とイスラエル軍によるラファでの地上攻撃 に反対する決議案を国連安保理に提出した。欧州連合(EU)加盟国は外相会議を開催 し、ハンガリーを除く26カ国の外相名でイスラエルによるラファへの攻撃停止を求め る共同声明を発表した。ただイスラエルのネタニヤフ首相とスモトリッチ財務相は、パ レスチナ自治区ガザで拘束されている人質について、解放のために代償を支払うことは ないとの考えを示した。 【金ETF残高は減少】 世界12カ国に上場している金ETF(上場投信)の現物保有高は21日時点で 1024.74トンとなり、前週末比8.07トン減少した。米国で減少した。米連邦 準備理事会(FRB)の利下げ観測後退を受けて投資資金が流出した。一方、米商品先 物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、2月13日時点のニューヨーク金 の大口投機家の買い越しは13万1168枚となり、前週の16万1738枚から縮小 した。今回は手じまい売りが1万1118枚、新規売りが1万9452枚入って3万 0570枚買い越し幅を縮小した。 中国人民銀行は、5年物の最優遇貸出金利(ローンプライムレート)を4.2%から 3.95%に引き下げた。住宅ローンの主要指標金利を過去最大の幅で引き下げ、低迷 する不動産セクターへの支援を強化した。中国の証券取引所は、大手クオンツヘッジフ ァンドの口座を3日間凍結した。また中国は有力機関投資家が、株式の取引日の開始直 後と終了間際に保有株式を減らすことを禁止した。証券監督当局が主要な資産運用会社 や証券会社の自己勘定取引部門に指示した。春節休暇中の個人消費が堅調だったことや 株安対策を受けて上海株は上昇した。ただ不動産不況に対する懸念が残っており、中国 当局の対策を確認したい。 【銀は米利下げ観測後退で戻りを売られる】 銀の現物相場は、ドル高一服を受けて1月12日以来の高値23.49ドルを付けた のち、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測後退を受けて戻りを売られた。中国や 欧州の景気減速懸念も上値を抑える要因である。ドイツ政府は、2024年の経済成長 率は0.2%になるとし、従来見通しの1.3%から大幅に下方修正した。世界的な需 要低迷、地政学的な不確実性、インフレ率の高止まりなどを反映した。中国当局の景気 刺激策が発表されるかどうかも確認したい。 21日のニーヨークの銀ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比69.72トン 減の1万3460.55トンとなった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建 玉明細報告によると、2月13日時点のニューヨーク銀の大口投機家の買い越しは1万 2425枚となり、前週の1万6880枚から縮小した。新規売りが新規買いを上回っ た。 当面の予定(イベント・経済統計) 26日 貴金属取引 2024年2月限納会 米新築住宅販売 2024年1月(商務省) 27日 消費者物価指数 2024年1月(総務省) 貴金属取引 2025年2月限発会 米耐久財受注 2024年1月速報値(商務省) 米ケース・シラー住宅価格指数 2023年12月(S&P) 米消費者信頼感指数 2024年2月(カンファレンスボード) 28日 NZ準備銀行政策金利公表 米国内総生産 2023年10-12月期改定値(商務省) 米卸売在庫 2024年1月速報値(商務省) 29日 鉱工業生産指数 2024年1月速報(経済産業省) 小売業販売額 2024年1月速報 (経済産業省) 独雇用統計 2024年2月(連邦雇用庁) 独消費者物価指数 2024年2月速報(連邦統計庁) 米個人所得・支出 2024年1月(商務省) 米新規失業保険申請件数(労働省) シカゴ購買部協会景気指数 2024年2月(シカゴ購買部協会) 米中古住宅販売仮契約指数 2024年1月(全米不動産協会) 1日 労働力調査(失業率) 2024年1月(総務省) 中国製造業購買担当者景況指数 2024年2月(中国物流購買連合会) 中国非製造業購買担当者景況指数 2024年2月(中国物流購買連合会) 中国製造業購買担当者景況指数 2024年2月(財新) ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2024年2月確報(Markit) ユーロ圏消費者物価指数 2024年2月速報(EUROSTAT) ユーロ圏雇用統計 2024年1月(EUROSTAT) 米製造業景況指数 2024年2月(ISM) 米消費者信頼感指数 2024年2月確報値(ミシガン大) 建玉明細報告(CFTC) MINKABU PRESS 東海林勇行 ※投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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