ゴム週間見通し=8月限は上値を試すか、日経平均株価に注目

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【前週までのレビュー】高値圏にあるが買い方が居座っており、ゴム独自の買い材料が
出てくるようなら、上値追いの展開になるとみた。
【8月限は再度上値を試すか】
 JPXゴムRSS3号の活発限月の8月限は、株高や円安を手掛かりに、2月22日
に一代の高値となる306.5円まで上昇した。その後、直近の上昇に対する調整安と
なっているが、節目の295円前後では支持され、再び300円前後まで戻している。
3月1日に300円台を回復する場面があったが、これは日経平均株価が史上最高値を
更新ことに連動する動きだった。最近のJPXゴムRSS3号は、日経平均株価に連動
することが多く、投機的な面が目立っている。目先、日経平均株価は4万円の攻防にな
るとみられる。JPXゴムRSS3号もこれを受けて、上値追いの展開となりそうだ。
なお、8月限は買い玉の回転が効いているとみるが、290円割れでは投げが出る可能
性があるので注意したい。
【産地高は上値追い】
 タイの現物価格は買いが先行している。タイ南部の天然ゴム主要積出港のソンクラ港
渡しのオファー価格(FOB)をみると、年初1キロ=62.12バーツ(約260.
28円、1バーツ=4.19円で計算)が3月1日には82.61バーツ(約346.
14円)まで上昇した。ファンダメンタルズからはここまで上昇する材料は見当たらな
い。投機色が強まっているJPXゴムRSS3号とスパイラル的な上昇場面となってい
るようだ。
【上海ゴムは戻り一服】
 上海ゴムは戻り一服となっている。2月28日の取引で中心限月の5月限が1万40
30元まで上昇したが、1万4000元超では戻り売りを浴びた。同時の日足は十字線
となり、3月1日には1万3820元まで軟化した。現状、一目均衡表の雲の下限があ
る1万3800元付近が支持となっている。再度、地合いを引き締めれば、1月2日の
高値1万4540元を目指そう。ただ、ゴム独自のファンダメンタルズから積極的な買
い材料は見当たらないだけに、戻り売りには注意したい。
【中国製造業PMIは5月連続で50割れ】
 3月1日に中国国家統計局が発表した2月製造業購買担当者景気指数(PMI)は4
9.1となり前月の49.2から0.1ポイント低下し、5カ月連続で景況感の分かれ
目とされる50を下回った。内訳をみると、注目度が高い新規受注は前月と同じ49.
0となり5カ月連続で50を割り込んでいる。中国経済は、デフレ懸念があり、需要が
不足していることが背景にある。中国は、世界最大の天然ゴム消費国であり、同国の需
要低迷が続くようなら、ゴム相場にとって潜在的な弱材料になる。
【東京ゴム活発限月の8月限のテクニカル要因】
 ゴムRSS3号の活発限月の8月限は、調整安となった。2月に入ってからの値動き
をみると、産地高を背景に5日に289.1円まで上昇したが、同水準では上値が重く
なり、産地相場の伸び悩んだことから売りが先行、春節で中国勢が不在の13日には2
75.0円まで下落した。その後、円安や株高を手掛かりに再び騰勢を強め、16日に
290円台に乗せると、295.4円まで急伸した。22日には306.5円まで上昇
し、一代の高値を付けた。その後、徐々に上値が重くなり、3月1日には295円前後
まで軟化している。
 再度地合いを引き締めれば、2月22日に付けた一代の高値306.5円が最初の関
門。高値更新となれば、節目の310.0円を試すことになる。
 一方、下落となれば、節目の290円前後が支持になる。同水準を割り込むと、19
日の安値283.3円や節目の280円が意識される。
【今週の注目ポイント】
 JPXゴムRSS3号の、株式市場に注目したい。直近のJPXゴムRSS3号の上
昇場面では、投機的な面が強く、史上最高値を更新した日経平均株価に連動することが
多い。3月1日も日経平均株価が大幅高となると、マイナスサイドからプラスサイドに
転じている。日経平均株価が上値追いとなれば、JPXゴムRSS3号にとっても支援
材料となる。
【相場予想レンジ】
 3月4日〜8日のゴムRSS3号7月限の中心レンジ予想は280〜315円。テク
ニカルの支持線は290.0円(節目)、抵抗線は306.5円(一代の高値)。
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