[今日の視点]貴金属=軒並み上昇、NY高を引き継ぐ

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
 貴金属は、軒並み上昇して寄り付く見通し。金と銀はニューヨーク高を受けて買い優
勢となろう。プラチナ系貴金属(PGM)もニューヨーク高を受けて堅調となろう。
 午前8時10分現在の現物相場は前営業日の引け時点と比べ、金は21.66ドル高
の2147.80ドル、銀が43セント高の2415セント、プラチナが24.00ド
ル高の906.00ドル、パラジウムは88.51ドル高の1047.00ドル。
 午前8時10分現在のドル・円相場は1ドル=149.31/32円で、前営業日の
大引け時点から0.57円の円高。
 先限の寄り付き目安は、金が1万0300円前後、銀は119.0円前後、プラチナ
は4350円前後、パラジウムは4600円前後。
【NY金は米FRB議長の利下げ見通しが支援】
 金はきのうの海外市場では、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の利下げ見通
しを受けて買い優勢となった。
 金はパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の利下げ見通しが支援要因になった。
米FRB議長は下院金融サービス委員会の公聴会で、利下げ見通しを示した。ただ利下
げ開始時期とそのペースは経済データのみに基づいて決定されると述べた。また2月の
全米雇用報告で、民間部門雇用者数は14万人増と市場予想の15万人増を下回った。
一方、米ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は、昨年12月時点で2024年は
25ベーシスポイント(bp)の利下げ2回が適切になる可能性が高いと考えていたと
し、その後の経済指標の強さを考慮すると、現在はさらに多くの利下げを予想するのは
考えにくく、それより1回少ない可能性もあると述べた。CMEのフェドウォッチで、
年末のフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標水準は4.25〜4.50%と年4
回の利下げを織り込んでおり、利下げ期待が再び行き過ぎている可能性がある。
 銀はきのうの海外市場では、ドル安や金堅調を受けて買い優勢となった。
【プラチナは今年も供給不足見通し】
 プラチナはきのうの海外市場では、ドル安や金堅調を受けて買い優勢となった。
 プラチナはドル安や金堅調が支援要因になった。全米雇用報告が予想以下となったこ
とに加え、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が利下げ見通しを示した。一方、
ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)の四半期報告によ
ると、2024年のプラチナは13トンの供給不足と、前年の27トン不足に続いて供
給不足が続く見通しとなった。トレバー・レイモンドCEOは、「供給不足の継続は、
世界経済が困難な状況にあるなかで、プラチナ需要の底堅さと供給の脆弱性を浮き彫り
にしている」と述べた。
<今日の予定>
・中国貿易収支 2024年2月(税関総署)
・独製造業受注 2024年1月(経済技術省)
・理事会結果公表(ECB)
・米貿易収支 2024年1月(商務省)
・米新規失業保険申請件数(労働省)
MINKABU PRESS 東海林勇行

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