【前週のレビュー】ニューヨーク原油5月限は一代高値を更新しているため、期近つな ぎ足ベースで見るが、次の上値目標は昨年9月28日の高値95.03ドルから12月 12日の安値67.71ドルまでの下げ幅の78.6%戻しに当たる89.18ドルと なろうとした。 【NY原油は上げ一服感も高値更新の可能性残る】 ニューヨーク原油5月限は5日に87.63ドルまで上昇した後、その後上げ一服で 高値圏のもみ合いとなっている。前回の当欄で指摘した上値目標である89.18ドル はまだ達成していない。 目先の焦点はこれで天井なのか、さらに高値更新があるのかになりそうだが、22日 の5月限の納会までにもうひと上げさせたい買い越しファンドの意向を考えると、さら に高値を更新する可能性の方が高いだろう。16日の上弦辺りに押し目底があり、24 日の満月に向けて天井を形成するような上昇相場を予想したい。 材料的には、前回の当欄で一触即発としたイスラエルとイランを中心とした中東情勢 の緊迫化が引き続き注目される。11日の米ウォールストリート・ジャーナルが、48 時間以内にイランがイスラエルを攻撃する可能性を指摘するなど煽る記事も散見される が、米英独仏などの欧米諸国がイランに自制するように説得しているとの報道もある。 いずれにせよ、攻撃の一報が報じられた場合は急反発して、さらに高値を更新する可能 性が高そうだ。 仮にイランとイスラエルが交戦を開始した場合は、その期間や規模が注目されるが、 原油相場にとってホルムズ海峡閉鎖で供給ストップというのが最悪のシナリオとなる。 そこまで行かなくても両国が戦争状態になれば、そのまま100ドル台に乗せる可能性 が高い。 ロシア・ウクライナの軍事衝突に関しては、11日にロシアが再び広範にウクライナ のエネルギー施設に対して大規模なミサイル、ドローン(無人機)攻撃を行った。これ にともなってウクライナはまた深刻な電力危機に陥っている。東部のハルキウ州を中心 に20万人以上に電力が供給されていないという。報復が報復を呼ぶ展開となっている が、原油供給面での最悪のシナリオとなる黒海沿岸のロシアの原油積み出し港であるノ ヴォロシスク攻撃は今のところ回避されている。 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は3万8000ドル台半ばを中心とし たもみ合い。まだ本格的な調整入りの感じではなく、高値圏でのもみ合いの範疇に収ま っている。 ドルインデックスは急激にドル高が進展しており、直近は105ポイント台に乗せて きた。 【今年、来年ともに世界石油需要の伸びを据え置き=OPEC月報】 11日に発表された石油輸出国機構(OPEC)の月報では、2024年の世界石油 需要見通しの伸びを日量225万バレル、2025年を同185万バレルとして、とも に前回から据え置いた。夏場の旺盛な燃料需要を予想しており、2024年の世界石油 需要の伸びは比較的強いとしている。いわば生産国側の楽観的な見方とも言えるが、消 費国側の国際エネルギー機関(IEA)の月報が12日に発表されるため、その対比に 注目したい。 【東京原油、ガソリンのテクニカル分析】 東京原油の6番限である9月限は一代高値を更新するなか、8万円の節目で上値が重 かったが、11日の陽線で再び、それを上回ると、12日にはさらに高値を更新した。 ただ日足は十字線に近い形となった。 ガソリン先限は3日に名目値で8万3000円の横ばいが続いている。 【NY原油のテクニカル分析】 ニューヨーク原油5月限はこれまでの上昇に対して上げ一服感。直近は85ドルの節 目が支持線として意識されており、日足は陰線と陽線を繰り返している。直近はボリン ジャーバンドの1シグマ(85.52ドル)を下回って引けた。 MINKABU PRESS *投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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