FRBが様子見継続ならドル円は今夏に170円までの上昇も=NY為替

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 ドル円は154.60円付近まで戻してNY時間に帰って来ている。イスラエルがイランに対して報復攻撃を行ったとのニュースが東京時間に流れ、ドル円はリスク回避の円買いで153円台に下落する場面が見られた。しかし、いまのところエスカレートはしていないようで、急伸していた原油相場もその上げを戻しており、それに伴ってドル円も買い戻され元の位置に戻している。

 基本的な状況に変化はなく、FRBの利下げ期待の後退からドル買いがドル円の下値を支える一方、財務省の介入警戒感から155円台には慎重といった様子。今週の日米韓財務相会合やG7会合を経て、155円に心理的抵抗帯が形成させれている。

 ストラテジストはFRBが利下げを待つ姿勢を維持した場合、夏にかけてドルは170円までの上昇のリスクがあると指摘している。ドル強気派が勢いづいており、過去30年間にドル円がオーバーシュートした例を参照すると、ここからさらに13%の上昇が見込まれるという。

 現時点で最も危険なのは心理的節目を破った後の米金利見通しの期待が修正される時だとしている。その場合は7月FOMCまでに170円までの上昇の可能性もあると述べている。

 財務省が介入を繰り返せば円安の動きは鈍化するかもしれないが、日本の低金利と世界最大の対外資産保有国としての地位に全く変化はない。市場が金利差に注目している時には、行き着くところまで行かなければ、勢いを弱める手立てはほとんどないとも述べている。

USD/JPY 154.60 EUR/JPY 164.92
GBP/JPY 192.65 AUD/JPY 99.26

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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