【来週の注目材料】米第1四半期GDPは前期から伸び鈍化もしっかりか

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 25日21時半に米第1四半期GDP速報値が発表される。
前回2023年第4四半期は前期比年率+3.4%の高い伸び、同第3四半期は+4.9%となっており、昨年後半の米景気の力強さが示された。今回の市場予想は+2.3%と伸びが鈍化する見込み。ただ、3月の米FOMCで示された今年の経済成長率見通しは+2.1%、節目の2.0%を超えていることを含め、予想の+2.3%は水準として弱くない。

 堅調さを示す個人消費が全体を支えると期待される。前期は個人消費が+3.3%となっており、さすがにちょっと強すぎた感があった。今年に入っても小売売上高などで示される個人消費動向は好調さを維持しており、前回ほどではないものの、しっかりした数字が期待される。
 前期は+1.9%と第3四半期の+1.4%から伸びが強まった設備投資は難しいところ。同数時の算出に利用される航空機除く非国防資本財(コア資本財)の出荷は1月分が+0.8%とかなりの強さを見せたが、2月はプラス予想に反して-0.4%となっている。
 住宅投資については、直近で住宅ローン金利(30年固定フレディマック)が7%を超えるなど、かなり高い水準で推移していることもあり、やや厳しい数字が見込まれる。 
 弱いと見られるのが純輸出(輸出-輸入)。米貿易収支が1月、2月と予想を超える赤字。特に2月は689億ドルの赤字と3カ月連続で赤字額が拡大し、単月として昨年4月以来の赤字額となっている。

 ただ、全体の約7割を占める個人消費の力強さもあり、予想を超える伸びが出る可能性に注意したい。アトランタ地区連銀によるGDP見通し「GDPNow」では+2.9%と市場予想を超える伸びが見込まれている。

 予想を超える伸びが示された場合、少数派ながら残っている6月の利下げ開始見通しがさらに後退し、7月も据え置きという見通しが広がり、9月についても据え置きの可能性を意識する展開が見込まれる。こうした動きがドル高につながると期待される。

MINKABU PRESS 山岡和雅

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