CFTC大口投機資金動向(4/30時点):金・原油買いが拡大

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【概略】
 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における4月
30日時点の大口投機家の売り越しは275万6621枚となり、前週の241万
8039枚から拡大した。取組高合計は4358万5861枚となり、前週から12万
0956枚(0.3%)減少した。
 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が2.7%減、債券
合計が0.8%増、為替合計が2.4%減となった。商品市場の取組高は、穀物合計が
6.6%減、エネルギー合計は1.2%増、金属合計は2.0%減となった。
 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で手じまい売りが買い戻
しを上回って買い越しを縮小、債券で手じまい売り、新規売りが出て売り越しを拡大し
た。為替は買い戻しが手じまい売りを上回って売り越し(ドル買い)を縮小した。

【現在の市場テーマと大口投機家の動向】
 前週は、米雇用コスト指数の伸び加速を受けて米連邦準備理事会(FRB)の利下げ
観測が後退した。米連邦公開市場委員会(FOMC)では金利据え置きが決定された。
一方、米雇用統計は予想以下となり、9月の利下げの見方が高まった。
 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が16万8388枚売り越し(前週17万
9919枚売り越し)、ユーロは6777枚売り越し(同9989枚売り越し)、英ポ
ンドは2万8990枚売り越し(同2万6233枚売り越し)となった。ユーロは買い
戻しが手じまい売りを上回って売り越しを縮小した。

 商品市場では、原油はガザ停戦協議などを受けて軟調となり、3月13日以来の安値
77.96ドルを付けた。貴金属市場では、金が米連邦準備理事会(FRB)の利下げ
観測後退を受けて4月5日以来の安値2281.66ドルを付けた。
 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が26万5461枚買い越し(前
週26万4836枚買い越し)に拡大した。新規買いが新規売りが買い戻しを上回っ
た。ニューヨーク金は20万4210枚買い越し(同20万2891枚買い越し)に拡
大、ニューヨーク・プラチナは6797枚買い越し(同7464枚買い越し)に縮小し
た。金は買い戻しが手じまい売りを上回り、プラチナは手じまい売りが買い戻しを上回
った。

 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが14万3424枚売り越し(前週16万
0168枚売り越し)に縮小、大豆は16万2343枚売り越し(同15万4570枚
売り越し)に拡大した。コーンは買い戻しが手じまい売りを上回り、大豆は手じまい売
り、新規売りが出た。前週のコーンは、米産地の荒天や大豆・小麦の上昇を受けて堅調
となった。
MINKABU PRESS 東海林勇行

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