ドル円はNY時間に入って戻り売りが優勢となっており、一時155円台半ばに伸び悩む場面が見られた。ロンドン時間には156円を試す展開も見られていた。 先ほど発表の米新規失業保険申請件数が予想以上に悪化し、先週の弱い米雇用統計を追認する内容となったことでドル売りの反応が見られている。申請件数は23.1万件と昨年8月以来の高水準となった。 ただ、ドル円は買い戻しの流れを継続しており、売りが一巡すると直ぐに戻している。先週のFOMCや米雇用統計を受けて年内利下げ期待が復活しているが、FOMC明けのFRB委員の発言が比較的タカ派な内容が多く、見直しの動きが出ている。 また、来週のインフレ指標のリスクを意識している可能性もありそうだ。4月の米消費者物価指数(CPI)の現段階での予想は前月比0.4%上昇と、前月と同水準の上昇が見込まれている。予想通りであれば、インフレ懸念を後退させることは無さそうだ。 ドル円については、介入観測に伴う先週の160円台前半から151円台後半への急落の半値戻しが156円ちょうど付近にあるが、その水準を試しそうな気配が出ている。ただし、再度160円を積極的に目指そうという雰囲気まではまだなく、来週の米インフレ指標次第といったところかもしれない。 なお、日本時間23時のNYカットでのオプションの期日到来は現行付近には観測されていない。 9日(木) 現行付近にはなし MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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