[本日の見通し]石油=堅調、米経済の堅調さがあだとなるか

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
 日中取引開始後、原油の2024年10月限は堅調。7万7450円まで強含み、夜
間取引の高値に接近している。
 昨日発表された米新規失業保険申請件数が上振れしたことは米利下げ開始観測をやや
高めたものの、4週間移動平均では年初からのレンジ内を維持しており、米雇用環境が
悪化に向かっていると判断するのは早計である。米国のインフレ率が目標水準に向かっ
て鈍化すると確信させるほど米雇用環境は弱くなく、むしろ堅調さを維持している。
 デーリー米サンフランシスコ連銀総裁が認めるように、今後数カ月間のインフレ見通
しは不透明である。ガソリン小売価格が堅調に推移する可能性が高いほか、ハリケーン
などによってエネルギー価格が跳ね上がるリスクもあり、少なくとも夏場の利下げはな
いだろう。米国で自動車ローンやクレジットカードの延滞率は上昇しており、利下げが
出来ず、経済の不透明感が拡大していくリスクは意識しておくべきだろう。
 時間外取引でニューヨーク原油6月限は前日比0.37ドル高の79.63ドルで推
移。本日これまでのレンジは79.58〜79.70ドルで推移。
 原油9月限の予想レンジは7万7800円から7万8800円、ガソリン先限は8万
2500円から8万3500円、灯油先限は8万1000円から8万2000円。
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