[6月10日からの1週間の展望] −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 週間高低(カッコ内は日) 2025 年 4 月限 6 月 3 日〜 6 月 7 日 始 値 高 値 安 値 帳入値 前週末比 金 11,860 11,970 ( 7) 11,568 ( 5) 11,896 +45 銀 158.1 158.1 ( 3) 147.0 ( 5) 155.3 -3.0 プラチナ 5,188 5,298 ( 3) 4,939 ( 5) 5,045 -142 パラジウム 4,700 4,700 ( 3) 4,600 ( 5) 4,600 -200 ====================================== NY貴金属(カッコ内は限月) | 東京外為・株式/NY原油 7 日終値 前週末比 | 終 値 前週末比 金 ( 8) 2,325.0 -20.8 | ドル・円 155.30 1.62 円高 銀 ( 7) 2,944.0 -100.0 | 日経平均 38,683.93 +196.03 プラチナ ( 7) 971.1 -70.9 | NY原油 ( 7) 75.53 -1.46 パラジウム ( 9) 923.60 +10.70 |* ドル・円は15時15分現在、原油は 7日 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【前週のレビュー】 プラチナは米連邦準備理事会(FRB)の利下げ時期見極めでもみ合い、とした。 プラチナは手じまい売りが圧迫要因になったが、予想以下の全米雇用報告などを受け て米国債の利回りが低下すると、下げ一服となった。現物相場は5月10日以来の安値 985.20ドルを付けたのち、下げ一服となった。プラチナ先限は5月13日以来の 安値4939円を付けたのち、下げ一服となった。一方、パラジウムの現物相場は2月 14日以来の安値898.31ドルを付けたのち、下げ一服となった。 4月の米個人消費支出(PCE)デフレータは前年比2.7%上昇し、伸びは3月か ら横ばいと予想通りとなった。ただPCEは前月比0.2%増と3月の0.7%増から 鈍化した。実質PCEは0.1%減。消費者支出の減少でインフレが抑制される可能性 が出た。5月の米ISM製造業景気指数は48.7と、4月の49.2から低下した。 事前予想の49.6を下回り、2カ月連続で低下した。5月の全米雇用報告によると、 民間部門雇用者数は15万2000人増加した。事前予想の17万5000人を下回 り、伸びは今年1月以来の低水準になった。米10年債利回りは4月1日以来の低水準 となる4.28%まで低下した。5月の米雇用統計で労働市場の減速が示されるかどう かを確認したい。また来週は5月の米消費者物価指数(CPI)の発表や米連邦公開市 場委員会(FOMC)がある。 欧州中央銀行(ECB)理事会で、主要政策金利の0.25%ポイント引き下げを決 定した。利下げは2019年9月以来。中銀預金金利を過去最高の4.00%から 3.75%に引き下げた。ただ複数の政策担当者が、賃金上昇やサービスインフレなど の最近のデータを踏まえると、7月に追加利下げする可能性は低いとの認識を示した。 5月のユーロ圏の消費者物価指数(HICP)速報値は前年比2.6%上昇と、4月と 3月の2.4%上昇から加速した。カナダ銀行も政策金利である翌日物金利の誘導目標 を0.25%ポイント引き下げ4.75%とした。4年ぶりの利下げとなった。各国中 銀が利下げに転じたことはプラチナの下支え要因である。 【プラチナETF残高は銘柄ごとにまちまちも合計で増加】 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、5日のロンドンで24.07トン(前 週末23.71トン)に増加、6日のニューヨークで32.22トン(同32.39ト ン)に減少、5日の南アで11.57トン(同11.19トン)に増加した。またパラ ジウムETFの現物保有高はロンドンで3.75トン(同3.71トン)、ニューヨー クで9.76トン(同9.55トン)に増加、南アで0.45トン(同0.45トン) と変わらずとなった。プラチナETF残高は銘柄ごとにまちまちとなったが、合計で 0.57トン増加し、安値拾いの買いが入った。また欧米のパラジウムETF残高も増 加した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、5月28 日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは2万7567枚(前週2万 7649枚)に小幅縮小、パラジウムの売り越しは1万1079枚(同1万0424 枚)に拡大した。 【5月の中国の財新総合PMIは1年ぶり高水準】 5月の中国の財新製造業購買担当者景気指数(PMI)は51.7と前月の51.4 から上昇し、2022年6月以来の高水準となった。政府の支援策を背景に生産と新規 受注が好調だった。事前予想の51.5も上回った。サービス部門PMIも54.0と 前月の52.5から上昇し、2023年7月以来の高水準となった。雇用は1月以降で 初めて上向いた。総合PMIは前月の52.8から54.1に上昇し、1年ぶり高水準 となった。国家統計局が発表した5月のPMIは製造業、非製造業ともに低下し、財新 と対照的な結果となった。財新のPMIは、統計局よりも調査対象の規模が小さく、輸 出志向の企業の割合が多いとされている。ただ主要7カ国(G7)が中国の過剰生産能 力を批判し、米国は関税引き上げを発表しており、輸出が好調を維持できるかどうかを 確認したい。 当面の予定(イベント・経済統計) 10日 ●オーストラリア(女王誕生日)、中国、香港(端午節) 国内総生産 2024年1-3月期2次速報 (内閣府) 国際収支(経常収支) 2024年4月(財務省) 11日 英雇用統計 2024年5月(国立統計局) 米連邦公開市場委員会(FOMC、12日まで) 12日 企業物価指数 2024年5月(日本銀行) 中国消費者物価指数 2024年5月(国家統計局) 中国生産者物価指数 2024年5月(国家統計局) 独消費者物価指数 2024年5月確報(連邦統計庁) 英貿易収支 2024年4月(国立統計局) 英鉱工業生産指数 2024年4月(国立統計局) 米消費者物価指数 2024年5月(労働省) 米財政収支 2024年5月(財務省) 米FOMC声明文公表 13日 金融政策決定会合(日本銀行、14日まで) ユーロ圏鉱工業生産 2024年4月(EUROSTAT) 米新規失業保険申請件数(労働省) 米生産者物価指数 2024年5月(労働省) 14日 総裁記者会見(日本銀行) ユーロ圏貿易収支 2024年4月(EUROSTAT) 米輸出入物価指数 2024年5月(労働省) 米消費者信頼感指数 2024年6月速報値(ミシガン大) 建玉明細報告(CFTC) MINKABU PRESS 東海林勇行 ※投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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