【これからの見通し】連日の円安進行、着実なペースの値動きで介入のタイミング読みづらく

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【これからの見通し】連日の円安進行、着実なペースの値動きで介入のタイミング読みづらく

 今週は連日の円安進行となっている。ドル円は161.90付近に高値を伸ばし、37年半ぶりの高値水準を更新している。ただ、値幅は比較的小さくとどまっており、日中の値動きとしては急激なものとはなっていない。

 きょうはクロス円も堅調に推移している。ユーロ円は173円台後半から174円をうかがう動き。ポンド円は205円台に大台を塗り替えている。豪ドル円は108円付近へ、カナダ円は118円台乗せへと水準を上げている。

 市場では日米や日欧などの金利差に基づいたキャリー取引に安心感が広がっているようだ。イベント後の急速な円安局面などがみられない限り、なかなか政府・日銀としては円買い介入に踏み切るタイミングがつかめないようだ。150円台乗せとなった過去のケースから類推すると、今回の160円突破以降は、163円、165円などの水準が意識されそうだ。また、それでも介入実施に踏み切ることがなけれは、次の心理的水準170円が意識されそうだ。ただ、1回の介入ではなかなか5円以上の円高の動きとはなりにくいことから、遅きに失する点も否めないだろう。

 この後の海外市場で発表される経済指標は、フランス財政収支(5月)、フランス・ドイツ・ユーロ圏・英国・米国などの非製造業PMI確報値(6月)、トルコの消費者物価指数と生産者物価指数(6月)、米MBA住宅ローン申請指数(06/22 - 06/28)、米チャレンジャー人員削減数(6月)、米ADP雇用者数(6月)、米貿易収支(5月)、米新規失業保険申請件数(06/23 - 06/29)、米製造業新規受注(5月)、米耐久財受注(確報値)(5月)、米ISM非製造業景気指数(6月)、カナダ国際商品貿易(5月)など。米雇用関連指標や各国の非製造業(サービス)関連の指標など見所は多い。ただ、あすの米独立記念日休場を控えており、市場に対する反応が一巡した後は、模様眺めのムードが広がりそうだ。金曜日の米雇用統計発表を控えて、ポジションを傾けにくい面も指摘される。

 発言イベント関連では、デギンドスECB副総裁、チポローネECB理事、レーンECBチーフエコノミスト、ウィリアムズNY連銀総裁、クノット・オランダ中銀総裁などがECBフォーラム2024に参加する。そして、ラガルドECB総裁が閉会のあいさつを行う予定。昨日の一連の発言では、インフレ低下基調を維持しながらも、サービスインフレなどの根強い動きもあって、利下げにはより慎重な姿勢で臨むとの雰囲気が支配的だったようだ。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

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