ダウ平均が1000ドル超下落の中、ドル円は再び107円割れ=NY為替後半

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 NY時間の終盤に入って再びドル円は下値模索が強まっており、107円を割り込んでいる。米株式市場でダウ平均の下げ幅が1000ドルを超える中、ドル円はリスク回避の下げとなっているようだ。きょうから第2四半期の相場入りとなる中、リスク回避の円高がドル円を圧迫している。ただ、リスク回避のドル買いも根強くある中、下押す動きまでは見られていない。

 トランプ大統領はきのう、米国は非常に厳しい2週間に直面していると警告。ウイルス対策調整官のバークス氏は米国の死者数が最大20万人に達する可能性があると指摘している。なお感染拡大が不透明な中、4月末まで移動制限が継続されるのではとの見方もあり、第2四半期の相場はリスク回避の雰囲気で始まっている模様。

 市場は各国政府や中央銀行の緊急対策が、企業や消費者の活動縮小の影響に効果が出るか確認したい意向もあるようだ。きのうまでにポジション調整は、だいぶ進んだものと見られる中、今後の動向を見極めたいとの雰囲気も強いようだ。

 ユーロは売り優勢。ユーロドルは一時1.09ドル台前半に下落し、200日線や21日線とった移動平均から下放れる動きが見られている。フィボナッチ50%水準が1.09ドルちょうど付近に来ており、目先の下値サポートとして意識。

 一部のアナリストによると、今後数ヵ月のユーロドルのパフォーマンスは、ユーロ圏の指導者たちの、景気対応をめぐる論争を解決できるかどうかによって決まるとの指摘も聞かれる。ドイツおよびその他の北欧加盟国は、ユーロ共同債の発行を求めるイタリア、フランス、スペインおよびその他の6ヵ国による要請を拒否している状況。

 一方、ポンドは堅調。ポンドドルは1.24ドル半ばに接近すると上値が重くなるものの、1.23ドル台に入ると買いも出るようだ。一部からはソブリン系の買いがポンドを支えているとの指摘も聞かれる。昨年末にはソブリン系は売りに回っていたものの、新型ウイルス感染拡大の混乱が本格的になってからは買いに転じているという。ユーロと比べてポンド相場は上値期待が高いとしている。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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