貴金属は、金とプラチナが反落して寄り付く見通し。金と銀は円高を受けて売り優勢 となろう。プラチナ系貴金属(PGM)はプラチナが円高を受けて軟調となろう。 午前8時10分現在の現物相場は前営業日の引け時点と比べ、金は29.38ドル高 の2447.40ドル、銀が48セント高の2906セント、プラチナが10.29ド ル高の978.99ドル、パラジウムは27.70ドル高の931.10ドル。 午前8時10分現在のドル・円相場は1ドル=150.25/27円で、前営業日の 大引け時点から2.57円の円高。 先限の寄り付き目安は、金が1万1860円前後、銀は140.0円前後、プラチナ は4765円前後、パラジウムは4600円前後。 【NY金は米FOMC後に一段高】 金はきのうの海外市場では、予想以下の全米雇用報告や米連邦公開市場委員会(FO MC)声明で9月の利下げの可能性が示唆されたことを受けて急伸した。 金は予想以下の全米雇用報告や米連邦公開市場委員会(FOMC)声明で9月の利下 げの可能性が示唆されたことが支援要因になった。7月の全米雇用報告によると、民間 部門雇用者数は12万2000人増加した。市場予想の15万人増を下回った。米FO MCで、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を5.25〜5.50%に据え置 いた。声明はインフレについて「2%の目標に向けてさらなる一定の進展があった」と し、早ければ次回9月の会合で利下げを実施する可能性を示唆した。パウエル米連邦準 備理事会(FRB)議長は、9月にも利下げに動く可能性があるとの見解を示した。 中東情勢対する懸念も支援要因になった。戦闘が続くパレスチナ自治区ガザの停戦交 渉で米国と共に仲介役を果たしているカタールとエジプトは、イスラム組織ハマスのイ スマイル・ハニヤ最高指導者が殺害されたことを受け、停戦交渉がとん挫する恐れがあ ると警告した。イランの最高指導者ハメネイ師は、首都テヘランでイスラム組織ハマス の政治指導者イスマイル・ハニヤ氏が暗殺されたとされる件に関し、イスラエルへの報 復攻撃を命じた。またレバノンに拠点を置く親イラン武装組織ヒズボラは、イスラエル 軍の攻撃により、首都ベイルート南部郊外の建物にいたフアド・シュクル司令官が死亡 したと確認した。 金先限は円高が圧迫要因である。日銀金融政策決定会合で、政策金利となる無担保コ ール翌日物金利の誘導目標をこれまでの0〜0.1%程度から、0.25%程度に引き 上げることを決定した。 銀はきのうの海外市場では、ドル安や金急伸を受けて買い優勢となった。 【NYプラチナはドル安や金堅調が支援】 プラチナはきのうの海外市場では、ドル安や金堅調を受けて買い優勢となった。 プラチナはドル安や金堅調が支援要因になった。予想以下の全米雇用報告に加え、米 連邦公開市場委員会(FOMC)声明で9月の利下げの可能性が示唆された。一方、プ ラチナ先限は円高が圧迫要因である。日銀金融政策決定会合で追加利上げが決定され た。 <今日の予定> ●スイス(建国記念日) ・中国製造業購買担当者景況指数 2024年7月(財新) ・ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2024年7月確報(Markit) ・ユーロ圏雇用統計 2024年6月(EUROSTAT) ・英中銀政策金利公表(BOE) ・米新規失業保険申請件数(労働省) ・米製造業景況指数 2024年7月(ISM) MINKABU PRESS 東海林勇行
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