【前週のレビュー】ニューヨーク原油10月限は中段もみ合いとなるか否かが目先の焦 点。中東の地政学的リスクが懸念されるなか、米経済の減速懸念が緩和してソフトラン ディング期待が買い口実となっているが、米国の製油会社は第3四半期の需要減退を予 想して、生産計画の減少を計画しているので要注意とした。 【NY原油は全値押し以上の下げとなる可能性も】 ニューヨーク原油10月限は崩れる展開。21日に71.46ドルまで下落したが、 22日の反発で73ドル近辺まで戻して、本稿執筆時の23日午後時点では73ドル台 前半のもみあいとなっている。 結果的に13日の上弦の前営業日の78.54ドルで天井を付けた形で、その後は8 月上旬の上げ幅の大半を失った。5日の安値70.88ドルまで崩れると全値押しとな るが、日柄的には9月3日が新月となり、その辺りまで下値模索が続くと考えれば、全 値押し以上の下げとなる可能性もある。 材料的には、ここ数週間注目されてきたイランの対イスラエル報復攻撃がなく、また ガザを巡るイスラエルとハマスの停戦交渉も相変わらずこう着状しているため、中東情 勢はあまり材料視されず、前回の当欄で記した米国の原油需要減退が徐々に材料視され つつある。 21日の米エネルギー調査会社、ケプラーのアナリストリポートでは、米国産原油の 中国向け輸出が今年ここまでの累計で前年同期比30%以上落ち込み、シンガポールや 欧州向けも軒並み減少していることが示された。 また米国の景気動向に影響するという意味合いでは、同じ21日に米労働省の労働統 計局(BLS)が発表した基準改定値(速報値)で、3月までの1年間の米雇用者数が 81万8000人ほど下方修正されたことで、米雇用環境の悪化や需要の下振れ懸念が 再び強まっている。目先は23日にジャクソンホール会合(カンザスシティー連銀主催 の年次シンポジウム)で行われるパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の基調 講演が注目されている。 中東でイランの報復攻撃など突発的な「有事」がなければ、目先の原油は米国の景気 動向に対する思惑主体の値動きとなる可能性が高いだろう。 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価はまだ4万ドル台を維持しているが、 高値更新には至らずもみ合い感も出て来た。 ドルインデックスは底割れして、一時は100ポイント台後半まで下落していたが、 直近は101ポイント台前半まで戻している。 【7月のロシア産原油輸入、インドが中国を抜いて世界最大に】 ロイター通信によると、7月にインドが中国を抜き、世界最大のロシア産原油輸入国 となった。7月の同国のロシア産原油輸入は日量207万バレルと、前月比4.2%増 となり、前年同月比でも12%増となった。また同国の原油輸入全体のロシア産のシェ アが44%を占めた。7月の中国のロシア産原油輸入は日量176万バレル。 【東京原油、ガソリンのテクニカル分析】 東京原油の6番限である1月限は21日移動平均線でもあるボリンジャーバンドの中 心線(7万1280円辺り)に跳ね返されて、−1シグマ(6万6510円辺り)を割 り込み、22日には6万5000円台割れまで安値を更新したが、その後は−1シグマ 近辺まで戻している。 ガソリン先限は名目値で8万1000円の横ばいで推移。 【NY原油のテクニカル分析】 ニューヨーク原油10月限はさらに下落して、ボリンジャーバンドの−2シグマ (71.17ドル辺り)近辺まで崩れたものの、22日には陽線で戻して、−1シグマ (73.00ドル辺り)を試している。 MINKABU PRESS *投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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