【場況】 金が反発。ニューヨーク高と円安を受けて売り優勢で始まった。その後は、円高に転 じたことに上値を抑えられた。銀はニューヨーク高を受けて先限が上昇した。 午前11時2分現在の前営業日比は、金標準が84〜130円高、金ミニが71.0 〜151.0円高、ゴールドスポットが308円高、銀が1.4円高。 午前11時2分現在の出来高は、金が1万4664枚、金ミニが9310枚、ゴール ドスポットが4539枚、銀が1枚。 【NY金はウクライナ情勢に対する懸念が支援】 金はウクライナ情勢に対する懸念やドル安が支援要因になった。バイデン米政権は、 ウクライナが米国製兵器を使用してロシア領内を攻撃することを許可した。北朝鮮によ るロシアのウクライナ戦線への派兵を受け、方針転換した。ロシア大統領府のペスコフ 報道官は、報道はいかなる公式声明にも基づいていないとするなか、米国は紛争に直接 関与することになると指摘し、バイデン米政権は退陣を前にウクライナ紛争をエスカレ ートさせていると批判した。ロシア外務省は、ウクライナが米国などから供与された長 距離兵器でロシア領を攻撃すれば、米国とその「衛星国」がロシアに対する敵対行為に 直接関与したことを意味するとし、ロシアは「適切かつ実質的」に対応すると表明し た。一方、欧州連合(EU)の外相に当たるボレル外交安全保障上級代表は、イラン、 北朝鮮、中国が完全な兵器システムを生産し、ロシアに供給しているという報告をEU は懸念していると述べた。 トランプトレードが一服し、ドル安に振れたことも支援要因である。米共和党のトリ プルレッドでドル高に振れたが、次期政権の政策を見極めようとする動きが出ている。 株式市場では、20日に発表される半導体大手エヌビディアの第3四半期決算に注目が 集まっている。半導体需要や今年の市場の上昇を主にけん引してきた人工知能(AI) ブームの持続可能性を評価することになる。また重要な年末商戦を控え、消費の強さを 測る上で、今週はウォルマート、ロウズ、ターゲットなど大手小売企業の決算も注目さ れる。 金先限は夜間取引で1万3093円まで上昇した。ニューヨーク高と円安が支援要因 になった。円相場は1ドル=154円台前半の円高に振れた。銀先限は155.1円に 上昇した。 【ドル建て現物相場】 金のドル建て現物相場は、堅調。きのうの海外市場では、ウクライナ情勢に対する懸 念やドル安を受けて急伸した。アジア市場では、朝方の2612.56ドルから、 2617ドル台まで上昇したのち、ユーロの上値の重さを受けて上げ一服となったが、 押し目は買われた。 午前11時現在、金が2615.42ドル、銀は3123セントで推移。前営業日の 大引け時点は金が2585.10ドル、銀が3064セント。 MINKABU PRESS
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