きょうの市場は、ウクライナ軍が英国製の巡航ミサイル「ストーム・シャドー」をロシア領内の軍事目標に初めて発射したと伝わったことで、地政学リスクへの警戒感が再び高まっている。その中でユーロドルも売りが加速しており1.05ドル台前半に下落。 ここ数日1.05ドル台が維持され、リバウンド相場への期待も出ていたが、きょうの下げでその気配は一旦消滅している。目先は1.05ドルを維持できるか注目される。ただ、依然として来年のトランプ政権の政策への観測から、ドル買いが根強いものの、来年は逆にドル安を見込んでいる市場関係者も少なくない。 本日はユーロ圏の賃金に関する重要な指標が発表になっていた。ECBがこの日発表した7-9月期の妥結賃金は前年比で5.4%上昇と、前四半期の3.5%から上昇が加速している。主にドイツが上昇をけん引していたが、これは金融緩和を進めようとしているECBの仕事をさらに複雑にする。 ECBは12月の理事会で今年4回目となる利下げを行うと見られているが、本日の賃金データからは少なくとも、一部で予想されている大幅利下げはない可能性がさらに高めるデータではある。ユーロ圏経済は回復の足掛かりを得るのに苦戦しており、大半のECB理事は追加利下げを示唆している。しかし、そのペースや幅についてはますます議論が分かれそうだ。 EUR/USD 1.0515 EUR/JPY 163.49 EUR/GBP 0.8317 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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