【これからの見通し】きょうはECB理事会、日銀や中国の話題とともにドル高支援材料となるか

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【これからの見通し】きょうはECB理事会、日銀や中国の話題とともにドル高支援材料となるか

 きょうはECB理事会が政策金利を発表する。市場では25bp利下げが織り込み済みとなっている。今回はスタッフ経済予測も公表される。焦点はラガルドECB総裁会見となりそうだ。今後の経済や金利パスの見通しに変化があるのかどうか。トランプ関税に対する景気とインフレの両面の影響についてどのような認識が示されるのかをチェックしておきたい。足元ではユーロ売り・ポンド買いの流れが鮮明になっており、ユーロポンドは連日の年初来安値更新の動きがみられている。市場では英中銀と比較するとECBの今後の利下げペースが速いとみているようだ。ECB理事会の内容を受けて、一段とユーロ売り圧力が高まるのかどうか注意したい。

 今週は話題が豊富だ。昨日は中国が来年に人民元安を容認する方針との報道が元安・ドル高の反応につながった。さらに市場にショックを与えたのが日銀関係者報道だった。一部政策委員は12月利上げ提案があれば容認する姿勢としたことで、円買いに反応。しかし、「円安の物価押し上げリスクは相対的に薄れていると日銀は判断」「日銀、今月利上げ見送りでも物価加速リスク大きくないと認識」としたことが市場での日銀早期利上げ観測を後退させた。ドル円は151円付近まで下落したあと、一気に152円台後半まで買われた経緯がある。

 きょうのECB理事会で今後のハト派姿勢が確認されれば、昨日の日銀や中国関連報道と相まってドル高の動きを支援する材料となる可能性もあろう。ECB理事会に先立ってスイス中銀の政策金利発表も予定されており、市場では25bp利下げ観測が優勢。一部には50bp利下げ予想もあり、この場合にはスイスフラン売り・ドル買いの反応も想定される。

 この後の海外市場で発表される経済指標は、上記のECBとスイス中銀のほかにも豊富。米国では米生産者物価指数(PPI)(11月)、新規失業保険申請件数(12/01 - 12/07)が発表される。PPIは前年比+2.6%(前回+2.4%)、コア前年比+3.2%(前回+3.1%)とインフレの根強さが示される見込み。新規失業保険申請件数は22.0万件(前回22.4万件)とやや減少する見込み。ただ、昨日の米CPIの発表後は市場での12月米25bp利下げの織り込み度は98.6%(CMEフェドウォッチ)となっており、ほぼ織り込み済みとなっている。

 その他の指標は、トルコ経常収支(10月)、スウェーデン消費者物価指数・確報値(11月)、香港生産者物価指数(第3四半期)、香港鉱工業生産指数(第3四半期)、南ア生産者物価指数(11月)、インド消費者物価指数(11月)、インド鉱工業生産指数(10月)、ブラジル小売売上高(10月)、メキシコ鉱工業生産指数(10月)、カナダ住宅建設許可(10月)、ドイツ経常収支(10月)などの発表が予定されている。

 発言イベント関連では、シュレーゲル・スイス中銀総裁やラガルドECB総裁の金融政策発表会見がメインとなる。米国では米30年債入札(220億ドル)が実施される。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

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