<金> NY金2月限は今月6日に2655ドルで取引を開始し、11日にかけて浮上し一時 2759.7ドルと同月6日以来の水準まで浮上したが、その後は急落に転じ12日は 2705.2ドルで終えた。 米公開市場委員会(FOMC)を17〜18日に控えるなか、11日に発表された米 消費者物価指数(CPI)は前年同月比+2.7%となり、+2.6%を記録した前月 よりも伸びが加速化した。 金は追加利下げ観測を手掛かりに浮上したが、11月の生産者物価指数(PPI)の 前年同月比も前月の上昇率を0.4%上回る+3.0%と発表されたことで、インフレ 率の上昇が米連邦準備理事会(FRB)の金融政策に与える影響がようやく認識された と見られる。 CMEのFedwatchによると、12日時点で12月追加利下げを見込んでいる 割合は96%超に達しており、既に今回のFOMCでの利下げを織り込んだ感がある。 それだけに2月限は17〜18日にかけて底意の強い足取りを維持し2700ドル台 での高下となる可能性がある。 ただ、米国議会がトリプルレッドとなりトランプ氏の公約実現へのハードルが低下す るなか1月にはトランプ政権発足を控えることが意識されそうだ。同氏は大統領選にお いて中国を始めとする諸外国からの輸入品に対する関税を引き上げることを公約として 掲げている。 また、移民敗訴の動きが強まれば人手不足の可能性が高まり、11月雇用統計でも前 月比で+0.4%と予想を上回る伸びを見せていた賃金が押し上げられる可能性があ る。賃金の上昇はサービス価格の上昇に繋がると予想されることは、輸入物価の上昇と 合わせてインフレ率を押し上げる可能性を想定される。 12月のFOMC終了に伴い材料を織り込み、将来的なインフレに対する警戒感から 転売が膨らむ可能性があることも想定しておきたい。 <銀> NY銀3月限はNY金に連動して浮上し12日には3333セントと11月5日以来 の水準まで浮上していたものの、その後、急反落に転じて3150セントを割り込み6 日以来の水準まで値を落とした。終値ベースでは3150セント台を回復したものの、 この下落で今月9日から11日にかけての急伸を一気に相殺した。 依然として17〜18日の米公開市場委員会(FOMC)で追加利下げが見込まれて いることが買い支え要因ながら、現状でもインフレの伸び加速化が確認されているう え、トランプ政権発足後のインフレ率の上昇に対する警戒感が上値を抑制する要因にな ってきそう。目先は上値が抑制されるなか、12月FOMCでの追加利下げ観測に支え られて今月9日の安値3137.5セント前後を下値支持線にしての底意の強い足取り となりそう。 <白金> NY白金1月限は960ドルを上値抵抗線にしての高下が続いている。米追加利下げ 観測が下支え要因になる一方、12日には予想以上の伸びを見せた米卸売物価指数 (PPI)が弱材料視された。 米インフレが警戒されるものの、中国景気不安を受けて10月末から11月半ばにか けて1064ドル台から932ドル台へと大きく下落したことでチャート面ではここか ら先の下げ余地は乏しい。年末を控えて様子見の雰囲気が高まっていることも手伝っ て、960ドルを上値抵抗線にしてのもちあい継続となるか。 <パラジウム> NYパラジウム3月限は1000ドルを前後する足取りが続いている。独自の材料に 乏しく、白金との値開きが意識されるなかでの高下となっているが、白金も960ドル を上値抵抗線にしてもちあうなど方向性に欠ける動きにとどまっている。 そのため、NYパラジウム3月限も引き続きもちあうと想定される。 MINKABU PRESS
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