【概略】 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における12月 24日時点の大口投機家の売り越しは361万5888枚となり、前週の341万 8255枚から拡大した。取組高合計は4416万1418枚となり、前週から198 万8479枚(4.3%)減少した。 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が20.3%減、債 券合計が3.7%減、為替合計が4.5%減となった。商品市場の取組高は、穀物合計 が2.2%減、エネルギー合計は1.5%減、金属合計は1.2%減となった。 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で手じまい売りが買い戻 しを上回って売り越しに転じ、債券で手じまい売りが買い戻しを上回って売り越しを拡 大した。為替は新規売りが新規買いを上回って売り越し(ドル買い)を拡大した。 【現在の市場テーマと大口投機家の動向】 前週は、クリスマスや年末を控えてポジション調整の動きとなった。米連邦準備理事 会(FRB)の利下げペース鈍化見通しを受けて米10年債利回りは5月以来の高値 4.64%を付けたが、利回り上昇は一服した。 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が2311枚買い越し(前週5961枚買い越 し)、ユーロは6万8507枚売り越し(同6万5895枚売り越し)、英ポンドは 1万9323枚買い越し(同2万1647枚買い越し)となった。ユーロは新規売りが 新規買いを上回って売り越しを拡大した。 商品市場では、原油が供給過剰見通しに上値を抑えられたが、在庫減少が下支えにな った。金は米国債の利回り上昇が一服したことが支援要因になったが、ポジション調整 の売りを受けて上げ一服となった。 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が24万7027枚買い越し(前 週22万9990枚買い越し)に拡大した。新規買い、買い戻しが入った。ニューヨー ク金は24万7629枚買い越し(同26万2041枚買い越し)に縮小、ニューヨー ク・プラチナは1万5648枚買い越し(同1万3744枚買い越し)に拡大した。金 は手じまい売り、新規売りが出て、プラチナは新規買い、買い戻しが入った。 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが22万5675枚買い越し(前週22万 1848枚買い越し)に拡大、大豆は10万4918枚売り越し(同10万9329枚 売り越し)に縮小した。コーンは新規買いが新規売りを上回り、大豆は新規買い、買い 戻しが入った。前週のコーンは、アルゼンチンの乾燥懸念や小麦、大豆の堅調を受けて 買い優勢となった。 MINKABU PRESS 東海林勇行
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