石油週間見通し=75ドル達成後の展開、寒波懸念も月報が弱気される可能性

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【前週のレビュー】ニューヨーク原油2月限は70ドルの節目を挟んだもみ合い続く。
70ドル水準は心理的な側面だけではなく、9月10日の安値63.73ドルから10
月8日の高値76.41ドルまでの上げ幅のほぼレンジ中央(70.07ドル)に位置
しており、売り買いが拮抗する水準となっており、新たな材料なしには上下どちらにも
放れにくい状況とした。

【NY原油は75ドル達成】
 前回の当欄の予想はやや外れて、ニューヨーク原油は上放れる展開となってきた。2
カ月以上続いたもみ合いレンジの上限である71ドル台半ばの水準を上抜けて、8日に
は75.29ドルの戻り高値を付けた。しかしその後は75ドルの達成感から上値が重
くなり、高値もみ合いの様相となっている。本稿執筆時の10日午後の時点では74ド
ル台前半で推移している。
 チャート的には、昨年10月8日の高値76.41ドル、それを上抜けると、昨年4
月12日に付けた一代高値の80.14ドルが上値目標となる。レンジを抜けると、大
きく動く傾向がある原油相場だけに21日の2月限納会までにもうひと上げがあるかど
うかに注目したい。

 年末年始の上昇場面では、材料が日替わりメニューで買い口実視された感が強く、基
本的には75ドルを目指したファンドの意向を映した上昇という印象が強かった。直近
は米国を含んだ北半球の寒波が支援材料となっており、再び買い煽られやすい状況とな
っている。
 ただ14〜15日にかけて3つの月報が出るため、それで弱気の需給見通しが示され
る可能性が高く、波乱含みと見ておきたい。

 産油国側のニュースとしては、昨年12月の石油輸出国機構(OPEC)の産油量は
日量2646万バレルと、前月比同5万バレル減となった。減少は3カ月振りとなる。
OPECプラスが自主減産幅の縮小を延期しているうえ、アラブ首長国連邦(UAE)
の産油量が油田のメンテナンスのため落ち込み、イランも減産している。一方、ナイジ
ェリアは増産した。なおイランに関しては、トランプ氏の米大統領再就任以降、制裁強
化からこの減産傾向が続くとの見方が多い。

 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は12月上旬に付けた過去高値からは
反落しているものの、4万2000ドル台を維持してまだ高値もみ合いの範疇と言える
値動きとなっている。
 ドルインデックスは高止まりが続いているが、直近は109ポイント台に乗せて、さ
らに戻り高値を更新する可能性も出てきた。

【東京原油、ガソリンのテクニカル分析】
 東京原油の6番限である6月限は、昨年12月中旬以降、おおむねボリンジャーバン
ドの1シグマ(7万0790円辺り)を支持線とした上昇のバンドウォークが続いてい
るが、直近3営業日は上値づかえ感も出てきている。
 ガソリン先限は名目値で8万3000円の横ばいとなっている。

【NY原油のテクニカル】
 ニューヨーク原油2月限は直近、ボリンジャーバンドの2シグマ(74.68ドル辺
り)を上回る強い上昇トレンドが続いていたが、75ドル台達成以降は上げ一服感が出
て来た。


MINKABU PRESS

*投資や売買については御自身の判断でお願いします。

このニュースの著者

MINKABU PRESS

みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。