貴金属は、金が反発して寄り付く見通し。金と銀はニューヨーク高と円安を受けて買 い優勢となろう。プラチナ系貴金属(PGM)はプラチナがニューヨーク安を受けて軟 調となろう。 午前8時10分現在の現物相場は前営業日の引け時点と比べ、金は7.61ドル高の 2676.83ドル、銀が22セント高の2988セント、プラチナが18.75ドル 安の940.36ドル、パラジウムは2.75ドル安の939.83ドル。 午前8時10分現在のドル・円相場は1ドル=157.92/94円で、前営業日の 大引け時点から0.33円の円安。 先限の寄り付き目安は、金が1万3645円前後、銀は155.0円前後、プラチナ は4710円前後、パラジウムは4700円前後。 【NY金は米PPIの伸び鈍化が支援】 金はきのうの海外市場では、米生産者物価指数(PPI)の伸び鈍化を受けて押し目 を買われた。 金は米生産者物価指数(PPI)の伸び鈍化が支援要因になった。12月の米PPI は前月比0.2%上昇と市場予想の0.3%上昇を下回った。前月は0.4%上昇。モ ノの価格の上昇がサービス価格の横ばい推移に部分的に相殺されたことで、予想よりも 緩やかな上昇率にとどまった。前年比では3.3%上昇し、前月の3.0%から伸びが 加速し、上昇率は2023年2月以来最大となった。前年のエネルギー製品の価格低下 が計算から除外されたことが背景にある。米カンザスシティー地区連銀のシュミッド総 裁はトランプ次期政権の政策が米経済に与える影響について、連邦準備理事会(FR B)内で「活発な議論」が行われており、インフレもしくは雇用に関する目標のいずれ かが軌道から外れれば対応すると言明した。 ブリンケン米国務長官は、パレスチナ自治区ガザでの紛争後の管理計画を発表し、停 戦合意が成立すれば退任するバイデン政権はロードマップをトランプ次期大統領のチー ムに引き継ぐと述べた。 銀はきのうの海外市場では、米生産者物価指数(PPI)の伸び鈍化や金堅調を受け て買い優勢となった。 【NYプラチナは手じまい売りが続く】 プラチナはきのうの海外市場では、手じまい売りが続き、軟調となった。 プラチナは手じまい売りが圧迫要因になった。トランプ次期米大統領の経済チーム は、関税を月ごとに徐々に引き上げる案を検討している。段階的に引き上げることで交 渉力を高め、インフレ高進を回避する狙いがある。一方、米生産者物価指数(PPI) の伸びが前月比で鈍化したが、プラチナの反応は限られた。今夜は米消費者物価指数 (CPI)の発表がある。 <今日の予定> ・英消費者物価指数 2024年12月(国立統計局) ・ユーロ圏鉱工業生産 2024年11月(EUROSTAT) ・米消費者物価指数 2024年12月(労働省) ・米製造業景況指数 2025年1月(ニューヨーク連銀) ・米地区連銀経済報告・ベージュブック(FRB) MINKABU PRESS 東海林勇行
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