【これからの見通し】きょうは米消費者物価指数の発表、米金融当局の利下げ観測がさらに遠のくのか 本日の注目イベントは12月の米消費者物価指数となる。先週末の米雇用統計の強い結果を受けて、短期金融市場では年内の利下げ回数について、1回弱まで見通しを後退させた。米景気が強いことは良いことではあるが、利下げ観測の後退は株式など資産市場にとっては頭の痛いこととなる。 トランプ次期大統領の就任式が1月20日に迫り、その数日後にはダボス会議でトランプ氏の演説も予定されている。関税政策などのついての詳細な情報が示されることが期待されている。 昨日の米生産者物価指数は前回から伸びが加速したものの、市場予想には届かなかった。今日の米消費者物価指数(CPI)が発表される。CPIの事前予想は前月比+0.4%(前回+0.3%)、前年比+2.9%(前回+2.7%)、コア前月比+0.3%(前回+0.3%)、コア前年比+3.3%(前回+3.3%)となっている。ディスインフレの動きが停滞していることが示される見込み。予想を上回れば、さらに年内の利下げ観測が後退する可能性もあり、市場の注目度は高い。同時刻には1月NY連銀製造業景気指数も発表される。予想は+3.0と前回の+0.2から上昇する見込み。 また、この後のロンドン朝方には、12月英消費者物価指数が発表される。事前予想は前月比+0.4%(前回+0.1%)、前年比+2.6%(前回+2.6%)、コア前年比+3.4%(前回+3.5%)、サービスCPI前年比+4.8%(前回+5.0%)などとなっている。米国に劣らずディスインフレの動きが頓挫している。英国では月次GDPが弱い点が指摘される。低成長とインフレの悪いパターンに陥っており、インフレ率の高止まりは再び英国に対する信任を低下させる可能性があり注意したい。 発言イベント関連では、デギンドスECB副総裁、ビルロワドガロー仏中銀総裁、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、マトルチ・ハンガリー中銀総裁、バーキン・リッチモンド連銀総裁、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、ウィリアムズNY連銀総裁、テイラー英中銀委員、グールズビー・シカゴ連銀総裁など多くの中銀当局者の講演やイベント参加が予定されている。米地区連銀経済報告(ベージュブック)、米週間石油在庫統計、OPEC月報など材料は多い。米企業決算ではJPモルガン、ゴールドマンサックス、シティ、ウェルズファーゴ、ブラックロック、BNYメロンなど大手金融機関の発表が相次ぐ。 minkabu PRESS編集部 松木秀明
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