貴金属は、金とプラチナが下落して寄り付く見通し。金は円高を受けて売り優勢とな ろう。銀はニューヨーク高を受けて買い優勢となろう。プラチナ系貴金属(PGM)は プラチナがニューヨーク安と円高を受けて軟調となろう。 午前8時10分現在の現物相場は前営業日の引け時点と比べ、金は13.68ドル高 の2696.47ドル、銀が69セント高の3064セント、プラチナが0.28ドル 安の936.70ドル、パラジウムは21.44ドル高の963.33ドル。 午前8時10分現在のドル・円相場は1ドル=156.38/39円で、前営業日の 大引け時点から0.97円の円高。 先限の寄り付き目安は、金が1万3635円前後、銀は154.0円前後、プラチナ は4665円前後、パラジウムは4700円前後。 【NY金は米国債の利回り低下が支援】 金はきのうの海外市場では、米国債の利回り低下を受けて買い優勢となった。 金は米国債の利回り低下が支援要因になった。12月の米消費者物価指数(CPI) は前年比2.9%上昇と前月の2.7%から伸びが加速し、7月以来の大幅な伸びを記 録した。ただコアCPIは前年比3.2%上昇と前月の3.3%上昇から伸びが鈍化し た。米国債の利回りが低下した。米リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は、12月の 米CPIが物価上昇圧力の緩和継続を示唆したと述べた。米シカゴ地区連銀のグールス ビー総裁は、インフレ率は依然として米連邦準備理事会(FRB)の2%目標に向けて 前進していると確信しており、特に住宅関連インフレの最近の緩和に勇気づけられると 述べた。米地区連銀経済報告(ベージュブック)で、昨年終盤の米経済活動が小幅から 緩やかなペースで拡大し、雇用もやや増えたとの総括的な見方が示された。 イスラエルとイスラム組織ハマスが、パレスチナ自治区ガザでの停戦で合意した。当 局者によると、合意には当初6週間の停戦やイスラエル軍の段階的撤退、ハマスが拘束 している人質解放などが含まれるもよう。 銀はきのうの海外市場では、米国債の利回り低下や金堅調を受けて買い優勢となっ た。 【NYプラチナは調整局面を継続】 プラチナはきのうの海外市場では、米国債の利回りが低下したが、ドル安一服を受け て戻りを売られた。 プラチナはドル安一服が圧迫要因になった。12月の米消費者物価指数(CPI)で コアCPIの伸びが鈍化し、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ期待が高まった。た だ次期米大統領の政策でインフレ圧力が高まると予想されており、ドル安が一服した。 当面は20日の米大統領の就任式が待たれる。一方、上海プラチナの出来高が増加し、 中国勢の押し目買いが入ったことは下支え要因である。 <今日の予定> ・企業物価指数 2024年12月(日本銀行) ・小売業販売額 2024年11月確報(経済産業省) ・独消費者物価指数 2024年12月確報(連邦統計庁) ・英鉱工業生産指数 2024年11月(国立統計局) ・ユーロ圏貿易収支 2024年11月(EUROSTAT) ・米小売売上高 2024年12月(商務省) ・米新規失業保険申請件数(労働省) ・米輸出入物価指数 2024年12月(労働省) ・米製造業景況指数 2025年1月(フィラデルフィア連銀) ・米企業在庫 2024年11月(商務省) MINKABU PRESS 東海林勇行
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