[今日の視点]貴金属=軒並み上昇、NY高を引き継ぐ

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
 貴金属は、軒並み上昇して寄り付く見通し。金と銀はニューヨーク高を受けて買い優
勢となろう。プラチナ系貴金属(PGM)はプラチナがニューヨーク高を受けて堅調と
なろう。
 午前8時10分現在の現物相場は前営業日の引け時点と比べ、金は31.21ドル高
の2792.98ドル、銀が75セント高の3160セント、プラチナが8.25ドル
高の964.60ドル、パラジウムは18.25ドル高の985.39ドル。
 午前8時10分現在のドル・円相場は1ドル=154.38/40円で、前営業日の
大引け時点から0.07円の円高。
 先限の寄り付き目安は、金が1万3920円前後、銀は154.5円前後、プラチナ
は4750円前後、パラジウムは4800円前後。
【NY金は予想以下の米GDPなどが支援】
 金はきのうの海外市場では、予想以下の米国内総生産(GDP)などを受けて買い優
勢となり、史上最高値を更新した。
 金は予想以下の米国内総生産(GDP)などが支援要因になった。第4四半期の米G
DP速報値は年率換算で前期比2.3%増となった。前四半期の3.1%増から減速
し、市場予想の2.6%増を下回った。ただ個人消費は4.2%増(第3四半期3.7
%増)と、2023年第1四半期以来の高い伸びとなった。一方、欧州中央銀行(EC
B)は、主要政策金利の0.25%引き下げを決定した。利下げは4会合連続で、昨年
6月以降で5回目。インフレ低下プロセスは「オントラック」と指摘し、持続的なイン
フレよりも経済成長の低迷の方が大きく懸念される中、一段の金融緩和の可能性を排除
しなかった。
 トランプ米大統領は、メキシコとカナダからの石油輸入に25%の関税を課すかどう
かについて30日中に決定する見通しを示した。メキシコとカナダが合成麻薬「フェン
タニル」や移民の米国への流入を止めなければ、2月1日から関税を課すと繰り返し警
告している。一方、米下院中国特別委員会の指導部がトランプ政権に対して、中国の新
興人工知能(AI)企業ディープシークが利用しているとされるエヌビディア製半導体
の輸出規制を検討するよう要請した。また世界の企業や政府機関の間で中国の新興企
業、DeepSeek(ディープシーク)が開発した人工知能(AI)モデルの使用を
制限する動きが広がってきた。中国政府へのデータ流出リスクやプライバシー保護の脆
弱性に対する懸念が背景にあるという。
 銀はきのうの海外市場では、ドル安や金堅調を受けて買い優勢となった。予想以下の
米国内総生産(GDP)を受けてドル安に振れたが、トランプ米大統領がメキシコとカ
ナダに関税を課す方針を示すと、ドル高に転じた。
【NYプラチナはドル安や金堅調が支援】
 プラチナはきのうの海外市場では、ドル安や金堅調を受けて買い優勢となった。
 プラチナはドル安や金堅調が支援要因になった。予想以下の米国内総生産(GDP)
を受けてドル安に振れたが、トランプ米大統領がメキシコとカナダに関税を課す方針を
示すと、ドル高に転じた。欧州中央銀行(ECB)の利下げも支援要因だが、高値での
買いが続くかどうかを確認したい。
<今日の予定>
●中国、香港(春節)
・労働力調査(失業率) 2024年12月(総務省)
・鉱工業生産指数 2024年12月速報(経済産業省)
・小売業販売額 2024年12月速報(経済産業省)
・中国製造業購買担当者景況指数 2025年1月(財新)
・独消費者物価指数 2025年1月速報(連邦統計庁)
・米個人所得・支出 2024年12月(商務省)
・米雇用コスト指数 2024年10-12月期(労働省)
・米シカゴ購買部協会景気指数 2025年1月(シカゴ購買部協会)
・建玉明細報告(CFTC)
MINKABU PRESS 東海林勇行

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