ドル円、151円台前半まで一時下落 明日の米雇用統計や日米首脳会談を前に持ち高調整も=NY為替概況 きょうのNY為替市場、ドル円はNY時間に入って売りが強まり、151円台前半まで一時下落している。東京時間の安値を下回った。円高が続いているほか、NY時間に入ってドル売りの動きが再び出て、ドル円は二重の逆風にさらされていた。 本日の200日線が152.80円付近に来ているが、その水準を下抜けている。明日の米雇用統計や日米首脳会談を前にロングの持ち高調整が活発に出ていた模様。日米首脳会談だが、明日の日本時間8日未明に行われるが、トランプ大統領が石破首相との会談で、円安について何らかの議論があるかを市場は強く警戒している。 また、円高が続いており、ユーロ円やポンド円も下値を模索。前日の日本の実質賃金のデータが2カ月連続のプラスになったことで、日銀の早期追加利上げへの期待が高まっている。当初は早くても次回は7月との見方も多かったが、ここにきて5月の声も一部から出始めている。3月後半から4月初めの春闘の情勢を受けて、実質賃金の持続的なプラスが見込めるようになれば、タカ派に傾斜している日銀はすぐに動くと見ているのかもしれない。 ユーロドルは買い戻しが出て、1.03ドル台後半まで戻した。ロンドン時間には1.03ドル台半ばに値を落とし、21日線を再び下回る場面も見られていたが、サポートされた格好となっている。 ECBは明日、中立金利の新たな推定値を発表する予定。ラガルド総裁はこの研究を基に政策を決定すると述べ、金融政策スタンスをどうすべきかを判断するのに役立つだろうと語った。ラガルド総裁自身は中立金利の範囲を1.75-2.25%と示唆しているが、推定値の発表はECBの着地点についてさらなる明確性をもたらすとの指摘も出ている。 もし、2.00%前後という推計値であれば、0.25%ずつあと3回の利下げで中立水準に到達ということになる。短期金融市場では、年内にECBはあと3回から4回の利下げ実施を織り込んでいる。 ポンドドルは、ロンドン時間に一時1.2360ドル付近まで下落していたが、NY時間に入って買い戻しが強まり、1.24ドル台に買い戻された。 本日は英中銀が金融政策委員会(MPC)の結果を公表し、予想通りに政策金利を0.25%引き下げた。ただ、委員の投票行動は9名のうち7名が0.25%の利下げを支持し、2名が0.50%の大幅利下げを主張していた。これを受けてポンド安の反応が見られ、市場では年内の利下げ期待をこれまでの2回から3回に増やす動きも出ていた。 ただ、ベイリー英中銀総裁は「利下げに段階的で慎重なアプローチを取る」と述べていたが、その後のインタビューでも「投票結果はコミュニケーションツールではない」とし、投票結果に重きを置き過ぎないよう市場に求めた。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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