プラチナ週間展望=堅調、金主導で上昇

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
             [2月10日からの1週間の展望]
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   週間高低(カッコ内は日)   2025 年 12 月限  2 月 3 日〜 2 月 7 日
        始 値   高 値    安 値    帳入値   前週末比
  金          13,975    14,202 ( 5)   13,929 ( 7)     14,035         +69
  銀           156.7     162.0 ( 5)    155.0 ( 3)      156.0        +2.0
 プラチナ       4,800     4,826 ( 3)    4,701 ( 4)      4,731         -80
 パラジウム     4,900     5,000 ( 5)    4,900 ( 3)      5,000        +200
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  NY貴金属(カッコ内は限月)      | 東京外為・株式/NY原油
         6  日終値  前週末比  |        終 値      前週末比
  金       ( 4) 2,876.7     +41.7   | ドル・円    151.72      2.96 円高
  銀       ( 3) 3,262.6     +36.1   | 日経平均  38,787.02       -785.47
 プラチナ   ( 4) 1,022.3     -21.4   | NY原油 ( 3)  70.61         -1.92
 パラジウム ( 3)   994.00    -77.80  |* ドル・円は15時45分現在、原油は  6日
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【前週のレビュー】
 プラチナは金堅調が支援要因、とした。
 プラチナは米大統領が関税発動の大統領令に署名し、戻りを売られる場面も見られた
が、ドル安や金堅調を受けて押し目を買われると、買い戻し主導で上昇した。現物相場
は昨年11月11日以来の高値983.44ドルを付けた。プラチナ先限は1月9日以
来の高値4826円を付けたのち、上げ一服となった。一方、パラジウムの現物相場は
昨年11月22日以来の高値1027.83ドルを付けたのち、上げ一服となった。
 トランプ米大統領は1日、カナダとメキシコに25%、中国に10%の関税を課す大
統領令に署名した。ただメキシコのシェインバウム大統領やカナダのトルドー首相と3
日の電話会談で、麻薬の流入阻止に向け、国境警備を強化することで合意したことか
ら、関税発動は1カ月延期された。一方、中国に対する関税は発動。中国が合成麻薬フ
ェンタニルの米国流入を阻止しなければ関税は大幅に引き上げられるとした。中国は報
復措置として米国産の石炭と液化天然ガス(LNG)に15%、原油、農機具、一部の
商用車・乗用車に10%の関税を10日に発動すると発表した。米大統領と中国の習国
家主席の会談が予定されており、関税の行方を確認したい。米大統領は欧州連合(E
U)にも関税を課す意向を示しており、EU首脳らはベルギーのブリュッセルで会合
し、対応策を協議した。
 12月の米個人消費支出(PCE)価格指数は前年比2.6%上昇し、前月の2.4
%から伸びが加速し、事前予想と一致した。個人消費支出は前月比0.7%増。前月分
は当初発表の0.4%増から0.6%増に上方改定された。米連邦準備理事会(FR
B)は利下げ再開を急がないとみられている。1月の米ISM製造業購買担当者景気指
数(PMI)は50.9だった。前月の49.2から上昇し、2022年9月以来の高
水準となった。事前予想は49.8。米ISM非製造業総合指数は52.8と前月の
54.0から低下した。事前予想の54.3から予想外に低下した。1月の全米雇用報
告によると、民間部門雇用者数は18万3000人増加した。事前予想は15万人増。
前月分は12万2000人増から17万6000人増に上方修正された。1月の米雇用
統計を確認したい。
【プラチナETF残高は合計で増加】
 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、5日のロンドンで21.11トン(前
週末19.61トン)に増加、6日のニューヨークで33.66トン(同33.68ト
ン)に減少、5日の南アで11.10トン(同10.89トン)に増加した。またパラ
ジウムETFの現物保有高はロンドンで4.00トン(同4.00トン)と変わらず、
ニューヨークで11.04トン(同11.05トン)に減少、南アで0.24トン(同
0.24トン)と変わらずとなった。プラチナETF残高は銘柄ごとにまちまちのとな
ったが、合計で1.69トン増加した。テクニカル面で改善し、投資資金が流入した。
一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、1月28日時点の
ニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは1万3373枚(前週1万4608
枚)、パラジウムの売り越しは7084枚(同8036枚)に縮小した。
【春節明けの上海プラチナの出来高は低迷】
 1月の中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.1と前月の50.1から
低下し、昨年8月以来の低水準となった。節目となる50を割り込み、事前予想の
50.1も下回った。サービス業と建設業を含む非製造業PMIは50.2と前月の
52.2から低下した。また1月の中国の財新製造業PMIは50.1と前月の
50.5から低下した。財新サービス部門PMIは51.0と前月の52.2から低下
した。競争激化や貿易の先行き不透明感に対する懸念が背景にある。春節明けの上海プ
ラチナの出来高は5日が4枚、6日が2枚と低迷した。米中の貿易戦争に対する懸念が
高まっており、今後の行方を確認したい。
当面の予定(イベント・経済統計)
10日 国際収支(経常収支) 2024年12月(財務省)
11日 ●建国記念日
12日 米消費者物価指数 2025年1月(労働省)
    米財政収支 2025年1月(財務省)
13日 企業物価指数 2025年1月(日本銀行)
    独消費者物価指数 2025年1月確報(連邦統計庁)
    英国内総生産 速報値 2024年10-12月期(国立統計局)
    英貿易収支 2024年12月(国立統計局)
    英鉱工業生産指数 2024年12月(国立統計局)
    ユーロ圏鉱工業生産 2024年12月(EUROSTAT)
    米新規失業保険申請件数(労働省)
    米生産者物価指数 2025年1月(労働省)
14日 ユーロ圏域内総生産 2024年10-12月期改定(EUROSTAT)
    米小売売上高 2025年1月(商務省)
    米輸出入物価指数 2025年1月(労働省)
    米鉱工業生産・設備稼働率 2025年1月(FRB)
    米企業在庫 2024年12月(商務省)
    建玉明細報告(CFTC)
MINKABU PRESS 東海林勇行
※投資や売買については御自身の判断でお願いします。

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