シカゴコーン市況=期近〜期中は反発、南米の生育不安や大口成約などで

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
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              始 値   高 値   安 値   帳入値    前日比
  2025/03    483.75      492.25      481.50      490.25      + 6.25
  2025/05    497.75      505.50      495.25      504.00      + 6.00
  2025/07    501.00      508.50      499.00      507.25      + 6.00
   単位:枚   推定出来高   前日出来高   前日取組高(前々日比)
   先物       542,577         647,005      2,026,132 (+    209)

注:4本値および出来高・取組高は、相場表と異なる場合があります。当該取引所から
電子取引を含む相場データの訂正が頻出しています。市況送信の際は細心の注意を払っ
ていますが、最新データは相場表でご確認ください。推定出来高は米国中部時間午後4
時の数字です。
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*米エネルギー省発表の週間エタノール統計(2月7日までの週)
 生産量:日量108万2000バレル(前週比 3万バレル減)
 在 庫: 2569万2000バレル(前週比72万バレル減)
*米気象庁発表の6−10日予報(2月18日−2月22日)
 コーンベルト西部の気温は平年を下回る。雨量は平年並〜平年を上回る。
 コーンベルト東部の気温は平年を上回る。雨量は平年並〜平年を上回る。
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 コーンは期近〜期中は反発。前日比は3.25セント安〜6.25セント高。3月限
は6.25セント高の490.25セント。
 アルゼンチンでは降雨が予想されているが、これまでの乾燥の影響で大幅な作柄改善
は難しいとの見方が強いうえ、ブラジルでは降雨過多の影響で主要となるサフリーニャ
コーンの作付遅延が警戒されるなか、買い優勢となった。また、米エタノール生産量は
減少していたが同時に在庫が大きく減少したことや、米農務省(USDA)による大口
成約の発表も好感された。
 3月限は483.75セントで取引を開始。その後は欧州の時間帯終盤まで484〜
486セントを中心とする限られたレンジ内で高下していたが欧州の時間帯終盤に軟化
し481.50セントの安値を付けた。ただシカゴの時間帯を迎えると急浮上に転じ、
492.25セントの高値を記録高値を離れた後も486セントに近づくと買い戻され
る底堅い足取りとなり、高値圏を維持したまま引けを迎えた。

 米エネルギー省発表の2月7日までの週における1日当たりの平均エタノール生
産量は前週比3万バレル減の108万2000バレルだった。一方、同日時点のエタノ
ール在庫は前週比72万バレル減の2569万2000バレルだった。
 米農務省(USDA)は仕向け地不明で24/25年度積み13万0320トンの
コーンの大口成約を発表した。
 ブラジル産地およびアルゼンチン産地の天気概況は以下の通り(民間気象会社の天気
概況及び予報を要約)。

<ブラジル南部のリオグランデドスル州およびパラナ州>
 この24時間は北部で局地的な降雨が発生。気温は平年を上回った。
 今後は13日までまばらな降雨となり、14日は北部で降雨となるだろう。15〜
16日は散発的な降雨となる見込み。気温は13〜16日は平年並〜平年を上回る見込
み。
 ブラジル産地南部では今週末から来週初頭にかけて前線が停滞する影響で、まとまっ
た雨量を伴う雨が続く可能性があり、大豆の収穫やサフリーニャコーンの作付けがさら
に遅延する恐れがある。

<ブラジル中部のマトグロッソ州、マトグロッソドスル州、ゴイアス州南部>
 散発的な降雨が発生。気温は平年並だった。同様の状況が16日まで続く見込み。
 雨季の降雨が続いているが、雨量が増加する通常とは異なり、今週の雨量はこれま
でより減少したり、または局地的なものとなる見込み。これにより大豆の収穫及びサフ
リーニャコーンの作付が進展する見込み。サフリーニャコーンの作付は平年に遅れてい
るうえ、適時とされる作付時期はあと2週間程度が残されているだけに、雨量の減少は
好ましい。

<アルゼンチン北部のコルドバ州、サンタフェ州、ブエノスアイレス州北部>
 局地的な降雨が発生。気温は平年を上回った。
 前線は13日にかけてゆっくりと北部に近づく見込みで、一部地域ではまとまった雨
量を伴う降雨が発生する可能性がある。北東部を中心に降雨となる見通しだが、広い
範囲での降雨となる可能性は低い。また、週末14日から来週にかけて新たに前線が近
づく見通し。すでにこれまでの乾燥で作柄が低下しているため、この降雨による作柄改
善は見込み難いが、少なくともこれ以上の作柄低下には至らないと見られる。

<アルゼンチン南部のラパンパ州、ブエノスアイレス州南部>
 この24時間は散発的な降雨が発生。気温は平年を上回った。
 今後は13日まで概ね降雨は無いが、14〜15日は散発的な降雨が発生する見込
み。16日は概ね降雨は発生しないもよう。一方の気温は16日まで平年以下〜平年並
になるだろう。

 アルゼンチン産地は前線が通過中で、現在通過中の前線が北部に移動した後も、今週
末の15日から来週にかけて新たな前線が通過する見込み。この前線に伴う降雨による
作柄の大幅な改善は期待し難いものの、これ以上の悪化はないと見られる。
 シカゴ小麦は小幅続落。前日に発表された米農務省(USDA)月例需給報告で世界
生産見通しが引き上げられたことが引き続き重石となり、売り優勢で運ばれた。米トラ
ンプ政権による関税政策を受けた米国の輸出見通し不安も他穀物と同様に弱材料となっ
た。
 期近の主要限月3月限は前日比2.75セント安の574.25セント。
今日の材料
・ブラジル産地南部では降雨が続く可能性があり大豆の収穫およびサフリーニャコーン
 の作付け遅延懸念が高まる。
・ブラジル産地中部は雨量や降雨の機会減少で大豆の作付やサフリーニャコーンの
 作付けが進展する可能性も。
・アルゼンチン産地中部および南部では今週後半に降雨。来週初頭も降雨発生が期待
 されるが、大幅な作柄改善の可能性は薄。
・2月7日までの週における1日当たりの平均エタノール生産量は前週比3万バレル
 減の108万2000バレル。
・USDAは仕向け地不明で24/25年度積み13万0320トンのコーンの大口
 成約を発表。

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