【前週までのレビュー】日銀の追加利上げの観測を背景とした円高などから、戻り場面 があっても徐々に戻りは鈍くなるとみた。 【自律反発場面】 JPXゴムRSS3号は下げ一服となっている。活発限月の期中7月限は12日に 360.3円まで下落したが、同水準では買いが先行した。産地相場は軟化を続けてい るがっ込んで売るほどの状況でもない。また、中国政府が景気減速の元凶とされる不動 産不況に本腰を入れ始めた。このため素材市場は、今後、地合いを引き締める可能性が ある。これまで中国政府は、中国恒大集団などのデベロッパーがデフォルトに陥っても 静観を続けてきたが、今回、万科が地方政府の管理下において再建を進めることとなっ た。このスキームが他社に適応されるかは不透明感が残るが、少なくとも政府が介入し たことで、市場に一定の安心感を与えるだろう。ゴム相場にとっても支援材料になる。 目先、戻り場面を迎えそうだ。 【中国政府が不動産対策に本腰を入れる】 中国政府が減速する同国景気の原因とされる不動産不況に、本格的に介入を始めた。 12日、中国大手デベロッパーの一つ万科を同社の本社のある深セン市の当局が経営 権を掌握し、資金繰りを支援することが決まった。これを受けて、同日のハンセン総合 株価指数は前日比で2.64%もの上昇となり、上海ゴムも夜間取引のマイナスサイド から、日中取引ではプラスサイドに転じ、大きく水準を引き上げた。中国政府が本格的 に不動産不況への対処を進めれば、銅などの素材価格にとってポジティブに働く。天然 ゴム相場も地合いを引き締めることになる。 【上海ゴムは1万8000元の攻防へ】 5日から取引が再開された上海ゴムは、地合いを引き締めている。中心限月5月限 は、14日の取引で1万7940元まで上昇、節目の1万8000元の攻防となってき た。この価格帯は、昨年12月30日に1万7930元で上値を抑えられており、戻り 売り圧力は強い。ただ、同水準をしっかり上抜くと、昨年12月6日の高値1万918 0元が視野に入る。1万8000元の攻防には注目したい。 【東京ゴム活発限月の7月限のテクニカル要因】 ゴムRSS3号の活発限月の7月限は、下げ一服となっている。1月からの値動きを みると、7日に354.0円まで下落した。だが、8日以降は、上海ゴムの上昇を受け て、7連騰となり17日には387.0円まで水準を引き上げた。20日以降は、上海 ゴムが軟化したことから上げ一服となり、380円を挟んでのもみ合いとなった。上海 市場が休場になった28日以降、薄商いの中、買いの仕掛けが入り、2月3日には節目 の394.9円まで上昇した。だが、節目の395円突破に失敗すると、一転して売り が先行。4日に390円を割り込むと、5日は373.4円まで急落した。そして、1 0日に節目の370円を下抜くと、12日には360.3円まで水準を引き下げた。そ の後は360〜370前後での取引が中心となっている。 一段安となれば、節目の360円の攻防になる。同水準を割り込むと、特に目立った 支持は見当たらないため、節目の355円や350円を意識した展開になる。1月10 日の安値364.5円や節目の360.0円が意識される。一方、地合いを引き締める と、一目均衡表の転換線がある377円台が最初の関門。同線を上抜くと節目の380 円や390円が意識される。 【今週の注目ポイント】 上海ゴムに注目したい。中心限月の5月限は、節目の1万8000元の手前で伸び悩 みをみせている。だが、同水準を突破すれば、上値余地が拡大するので注意したい。 【相場予想レンジ】 2月17〜21日のJPXゴムRSS3号7月限の中心レンジ予想は350〜390 円。テクニカルの支持線は360.3円(2月12日安値)、抵抗線は377.6円 (一目均衡表の転換線)。 MINKABU PRESS ※投資や売買は御自身の判断でお願いします。
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