【これからの見通し】円買いの流れが続く、ドル円は150円割れとなるか 今週は淡々と円高が進行している。ドル円は東京市場で150円台前半へと下落しており、心理的水準の150.00を視野に入れている。クロス円も全般に円高方向に動いている。 その背景にはファンダメンタルズ指標に裏付けされた日銀追加利上げ観測の高まりがある。既報の日本のGDPが強い伸びを示したことに加えて、あすの全国CPIの伸び加速の思惑も広がっている。市場予想は+4.0%と前回の+3.6%から一段と上昇することが見込まれている。生鮮除く、生鮮エネルギー除くなどの前回値も前回から0.1%ポイントの上昇が予想されており、米価の高騰といった単一の材料だけがインフレ圧力となっているわけではないようだ。高田日銀審議委員など日銀当局者も追加利上げ観測を支持するメッセージを発している。 また、トランプ氏をめぐる世界情勢の変化も金融政策に対する不透明感、不確実性を高めている。足元では相互関税が話題となっており、日本にとっては自動車関税がどうなるのかが深刻な問題となっている。さらに、ウクライナ停戦をめぐる米ロの接近なども、ウクライナやEUとの政治的な摩擦につながっている。金相場や原油相場が上昇傾向を示している。 円相場はここ1週間で各主要通貨に対して1%から2%程度強含んでいる。最も顕著な円高となっているのがユーロ円だ。ECB高官から予想以上に景気回復が弱いことが指摘されている。上記のウクライナ問題でもEUの負担がより重くなりそうだ。政治リスクもあり、ユーロ売り材料には事欠かない。ユーロ相場は対ドルや対ポンドでも上値が重くなっている。 この後の海外市場で発表される経済指標は、ドイツ生産者物価指数(1月)、トルコ消費者信頼感指数(2月)、ユーロ圏建設業生産高(12月)、香港消費者物価指数(CPI)(1月)、カナダ鉱工業製品価格(1月)、米フィラデルフィア連銀景況指数(2月)、米新規失業保険申請件数(02/09 - 02/15)、米景気先行指数(1月)、ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)(2月)などが予定されている。 発言イベント関連では、マクルーフ・アイルランド中銀総裁、グールズビー・シカゴ連銀総裁、ナーゲル独連銀総裁、ムサレム・セントルイス連銀総裁、バーFRB副議長、クーグラーFRB理事などお講演が予定されている。米週間石油在庫統計の発表、米30年インフレ連動債(TIPS)入札(90億ドル)の実施も予定されている。米主要企業決算では、ウォルマートが注目される。 minkabu PRESS編集部 松木秀明
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