シカゴ大豆市況=期近から大幅反発、世界生産見通し下方修正などで

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
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               始 値   高 値   安 値   帳入値    前日比
  2025/03    1,032.25    1,046.00    1,031.75    1,045.50     +13.75
   2025/05    1,049.00    1,063.50    1,048.25    1,063.00     +14.75
   2025/07    1,064.00    1,078.50    1,063.75    1,077.75     +13.75
   単位:枚   推定出来高   前日出来高   前日取組高(前々日比)
   先物       299,261         303,581         890,774  (- 11,911)
 注:4本値および出来高・取組高は、相場表と異なる場合があります。当該取引所か
ら電子取引を含む相場データの訂正が頻出しています。市況送信の際は細心の注意を払
っていますが、最新データは相場表でご確認ください。推定出来高は米国中部時間午後
4時現在の数値です。
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*米気象庁発表の6−10日予報(2月26日−3月2日)
 コーンベルト西部の気温は平年を上回る。雨量は平年を下回る〜上回る。
 コーンベルト東部の気温は平年並〜平年を上回る。雨量は平年並。
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 大豆は期近から大幅反発。前日比は6.75〜14.75セント高。3月限は13.
75セント高の1045.50セント。
 乾燥が続くアルゼンチンでは一部産地で引き続き少雨傾向となり大豆及びコーンの生
育懸念が高まったことに加え、国際穀物理事会(IGC)による24/25年度世界大
豆生産見通しの下方修正、今春の米作付面積の弱気な見通しが手掛かりとなり、買い優
勢で運ばれた。

 3月限は1032.25セントで取引を開始。序盤は低迷し一時は1031.75
セントの安値を付けた。その後、浮上しながらも1040セントを上値抵抗線として意
識する足取りが続いたが、シカゴの時間帯中盤以降は地合いを引き締め引け間際には
1046セントの高値に到達。高値圏を維持し2ケタの上げ幅を記録して終えた。
 国際穀物理事会(IGC)はアルゼンチン、パラグアイの天候不良が原因としたうえ
で、24/25年度の世界大豆生産量見通しをこれまでの予測から200万トン引き下
げた4億1800万トンとした。なお、米農務省(USDA)の2月月例需給報告での
世界大豆生産量予測は4億2076万トン。

 ブラジル産地およびアルゼンチン産地の天気概況は以下の通り(民間気象会社の天気
概況及び予報を要約)。

<ブラジル南部のリオグランデドスル州およびパラナ州>
 この24時間は北部で局地的な降雨が発生。気温は平年を上回った。
 これまでの降雨で大豆の収穫や二期目となるサフリーニャコーンの作付けが遅延して
いるが、今週も雨が降り続いている影響で農作業は停滞した状態が続いている。
 ブラジル産地南部では今週末から来週初頭にかけて前線が停滞する影響で、まとまっ
た雨量を伴う雨が続く可能性があり、大豆の収穫やサフリーニャコーンの作付けがさら
に遅延する恐れがある。

<ブラジル中部のマトグロッソ州、マトグロッソドスル州、ゴイアス州南部>
 雨季ながら雨量や降雨範囲がかなり狭まり、今週は農作業が進行している。21日が
二期目となるサフリーニャコーンの作付に最適とされる時期の最後となるが、マトグロ
ッソ州を中心にこの2週間の作付ペースは大幅に改善し平年並みに近づいている。ただ
22日から24日にかけて再びまとまった雨量を伴う降雨が発生すると見られる。この
雨は作付遅延懸念を高めるものの、新たに作付された穀物にとっては慈雨となる。

<アルゼンチン北部のコルドバ州、サンタフェ州、ブエノスアイレス州北部>
 この24時間は局地的な降雨が発生。気温は平年を上回った。今週後半から週末にか
けて少雨傾向となり気温は36℃近くまで上昇する見込み。これにより土壌水分が限ら
れている地域では穀物にストレスが発生するだろう。来週後半から週末にかけて前線が
接近し降雨が発生すると同時に気温も低下する見通しだが、作柄改善の保証はない。

<アルゼンチン南部のラパンパ州、ブエノスアイレス州南部>
 この24時間は概ね降雨は発生せず。気温は平年を上回った。今週は少雨傾向が続き
穀物にストレスを与える天候が広がっているが、22日以降の数日は降雨が続く見通し
となっている。ただ、穀物の作柄回復は期待薄。
 大豆製品は大豆粕、大豆油は共に大豆の堅調に追随高。大豆粕は主要生産国である
アルゼンチンの大豆生育懸念を受けた大豆粕生産見通し不安が買い支援要因となったほ
か、大豆油にとっては原油高も強気材料となった。
 大豆粕3月限は前日比1.30ドル高の296ドル。
今日の材料
・ブラジル産地南部では降雨が続き大豆の収穫およびサフリーニャコーンの作付け遅延
 が警戒される。
・ブラジル産地中部は降雨が減少し大豆の作付やサフリーニャコーンの作付けが大幅
 進展。
・アルゼンチン産地中部および南部では今週は少雨傾向が続く。今週末から来週初頭
 にかけて降雨発生が見込まれるが、大幅な作柄改善の可能性は薄。

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