[今日の視点]貴金属=金が続落、現物安と円高で

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
 貴金属は、金が続落して寄り付く見通し。金はドル建て現物相場の下落と円高を受け
て売り優勢となろう。銀は小動きとなろう。プラチナ系貴金属(PGM)はプラチナが
円高を受けて小幅安となろう。
 午前8時10分現在の現物相場は前営業日の引け時点と比べ、金は5.61ドル安の
2939.19ドル、銀が8セント高の3293セント、プラチナが2.96ドル高の
979.08ドル、パラジウムは2.44ドル高の979.20ドル。
 午前8時10分現在のドル・円相場は1ドル=149.53/55円で、前営業日の
大引け時点から0.53円の円高。
 先限の寄り付き目安は、金が1万4235円前後、銀は159.0円前後、プラチナ
は4665円前後、パラジウムは4800円前後。
【NY金は欧州時間に一代高値更新も上げ一服】
 金はきのうの海外市場では、米大統領の関税発言を受けて欧州時間に一段高となった
が、利食い売りなどが出て上げ一服となった。
 金はトランプ米大統領の関税発言が支援要因になった。トランプ大統領は、米国に輸
入される自動車、半導体、医薬品などに対する関税について「来月か、それより早く」
発表すると述べた。2月の米フィラデルフィア地区連銀製造業業況指数は18.1とな
った。前月から26.2ポイント低下し、低下幅は約5年ぶりの大きさとなった。原材
料価格が約2年半ぶりの高水準を付け、投入価格が急騰したことが響いた。
 米シカゴ地区連銀のグールズビー総裁は、トランプ米大統領が表明している広範な関
税措置の導入で新型コロナウイルス禍で発生したような供給ショックが引き起こされれ
ば、インフレが悪化する可能性をやや懸念していると述べた。米アトランタ地区連銀の
ボスティック総裁は、トランプ米大統領の貿易・移民政策を巡り広範な不確実性が依然
として存在するものの、連邦準備理事会(FRB)は年内に計50ベーシスポイント
(bp)の利下げを実施できるとの見方を示した。米セントルイス地区連銀のムサレム
総裁は、このところの経済指標でインフレ期待の上昇傾向が示されているとし、景気停
滞と物価上昇が同時に起きるスタグフレーションに米経済が陥るリスクを指摘した。
 ウクライナは「米大統領と強力で効果的な投資・安全保障の合意」を結ぶ用意がある
と、ゼレンスキー大統領がX(旧ツイッター)で表明した。米国のウォルツ大統領補佐
官(国家安全保障担当)は、6月に予定される次回の北大西洋条約機構(NATO)首
脳会議までに、NATO加盟国は国内総生産(GDP)比2%を国防費に充てる必要が
あると言明した。
 銀はきのうの海外市場では、ドル安や金の押し目を買われたことを受けて買い優勢と
なった。
【NYプラチナはドル安が支援】
 プラチナはきのうの海外市場では、ドル安を受けて買い優勢となった。
 プラチナはドル安が支援要因になった。トランプ米大統領の関税措置を慎重に検証す
る姿勢がみられるなか、ドル安に振れた。ただ関税を巡る懸念や小売大手ウォルマート
のさえない業績見通しを受けて株安に振れており、高値での買いが見送られると、上値
を抑える要因になりそうだ。一方、ベッセント米財務長官は、21日に予定する中国当
局者との電話会談で、中国の国内消費押し上げに向けて経済のリバランスに向けた取り
組みを促すと述べた。
<今日の予定>
・消費者物価指数 2025年1月(総務省)
・英小売売上高 2025年1月(国立統計局)
・ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2025年2月速報(Markit)
・ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2025年2月速報(Markit)
・米消費者信頼感指数 2025年2月確報値(ミシガン大)
・米中古住宅販売統計 2025年1月(全米不動産協会)
・建玉明細報告(CFTC)
MINKABU PRESS 東海林勇行

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