石油週間展望=70ドル台前半のもみ合い、露ウ停戦協議に不協和音

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
          [2月24日からの1週間の展望]
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         週間高低(カッコ内は日付)     2 月 17 日〜 2 月 21 日
                始  値    高  値        安  値       帳入値    前週末比
ガソリン  先限   86,000    86,000(17)    86,000(17)   86,000       ±0
灯  油  先限   88,000    88,000(17)    88,000(17)   88,000        ±0
原  油 7月限   68,850    69,690(20)    67,810(17)   68,910       +400
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                                        2 月 17 日〜 2 月 20 日
<海外原油> 週間4本値 始 値   高  値      安 値     終値   前週末比
  NY原油  4 月限    70.69    73.14(20)    70.12(18)  72.48    +1.77
ブレント原油  4 月限    74.67    77.15(20)    74.19(17)  76.48    +1.74
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21日 東京時間の午後3時15分現在 ドル・円 150.46 前週末比 2.03円の円高
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【前週のレビュー】ニューヨーク原油4月限はひとまず70ドル台割れに下値抵抗を強
めているが、いつ70ドル台を割り込んでもおかしくない状況と言える。材料的には、
ロシア・ウクライナ戦争の停戦協議の合意、米国のイラン制裁強化観測などに焦点が移
ってきたとした。

【NY原油4月限は70ドル台前半のもみ合い】
 ニューヨーク原油4月限は、結局70ドルの節目を割り込むことなく、2月に入って
からのもみ合いレンジ内での反発となっている。70ドルを下値支持、逆に73ドルを
上値抵抗とする展開となっており、こう着感も出て来た。直近はそのレンジ上限を伺う
値動きとなっているが、目先はこれを上抜けるか否かがチャート上の焦点となりそう
だ。
 なお本稿執筆時の21日午後現在、4月限は72ドル台半ばで推移している。
 材料的には、ロシア・ウクライナ戦争の停戦協議の進展具合に注目したいが、米国と
ウクライナの不協和音が顕著、というより米国のロシア寄りの対応にウクライナの反発
が強く協議が順調に進展しない可能性が高まっている。現状では対露エネルギー制裁解
除の可能性が後退していることで、原油にとっては支援材料となっている。もちろん今
後、電撃的な停戦協議進展もあり得るため、一転して圧迫材料に転じる可能性にも注意
したい。
 またあまり材料視はされていないが、17日のウクライナのドローン攻撃により、カ
スピ海パイプライン・コンソーシアム(CPC)の供給が減少しており、同パイプライ
ン経由で送油している米シェブロン、米エクソンモービルのカザフスタン原油の供給に
障害が出ている。ウクライナはここ数カ月間で、ロシアのエネルギーインフラに対する
攻撃を強めているが、欧米の石油メジャーがその被害を受けた最初の例となった。

 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は引き続き4万4000ドル台での高
値もみ合いとなっている。
 ドルインデックスは昨年末から高値もみ合いが続いていたが、その下限を割り込み、
106ポイント台前半まで下落している。対円でも20日には1ドル=149円台に突
入する円高に振れた。
【米国の原油在庫、4週連続増加して3カ月振りの高水準=EIA】
 米国内を見ると、米エネルギー情報局(EIA)の週報ベースで、原油在庫が4週連
続で増加していることには注意したい。直近の発表では、原油在庫は前週比463万
3000バレル増の4億3249万3000バレルとなった。ほぼ3カ月振りに4億
3000万バレル台に乗せた。一方、定期修理の時期で製油所稼働率が84.9%と低
めになっていることもあり、製品在庫はガソリン、留出油在庫ともに減少した。

【東京原油のテクニカル分析】
 東京原油の6番限である7月限は上ひげを付けながらも4営業日連続陽線引けで上昇
トレンド。ただ21日はボリンジャーバンドの1シグマ(7万6700円辺り)が上値
抵抗となった。

【NY原油、ブレント原油のテクニカル】
 ニューヨーク原油4月限も上ひげを付けながらも3営業日連続陽線引け。20日には
ボリンジャーバンドの1シグマ(73,28ドル辺り)に届かなかった。

 ブレント原油4月限も同様に4営業日連続の陽線引けで上昇。20日はボリンジャー
バンドの1シグマ(76.70ドル辺り)を試した。

<当面の予定>
24日【休日】国民の祝日(天皇誕生日の振替休日)
   【経済】ユーロ圏消費者物価指数 2025年1月確報 (EUROSTAT)
   【経済】独景況感指数 2025年2月 (ifo)

25日【経済】チェーンストア販売統計 2025年1月 (日本チェーンストア協会)
   【納会】バージガソリン・灯油・軽油・中京ローリーガソリン・灯油
       2025年3月限(東京商品)
   【経済】独国内総生産 2024年10-12月期確報 (連邦統計庁)
   【経済】米住宅価格指数 2024年12月 (連邦住宅金融局)
   【経済】米ケース・シラー住宅価格指数 2024年12月 (S&P)
   【経済】米消費者信頼感指数 2025年2月 (カンファレンスボード)
   【工業】米週間石油統計 (API)

26日【経済】景気動向指数 2024年12月改定状況 (内閣府)
   【工業】原油・石油製品供給統計週報 (石油連盟)
   【発会】バージガソリン・灯油・軽油・中京ローリーガソリン・灯油
             2025年9月限(東京商品)
   【経済】仏消費者信頼感指数 2025年2月 (INSEE)
   【経済】米住宅ローン申請指数 (MBA)
   【経済】米新築住宅販売 2025年1月 (商務省)
   【工業】米週間石油統計 (EIA)

27日【経済】貿易収支 2025年1月確報 (財務省)
   【工業】石油製品給油所小売価格調査 (資源エネルギー庁)
   【経済】仏生産者・輸入物価指数 2025年2月 (INSEE)
   【経済】米国内総生産 2024年10-12月期改定値 (商務省)
   【経済】米耐久財受注 2025年1月速報値 (商務省)
   【経済】米新規失業保険申請件数 (労働省)
   【経済】米中古住宅販売仮契約指数 2025年1月 (全米不動産協会)

28日【経済】対外及び対内証券売買契約等の状況 2月16日-2月22日 (財務省)
   【経済】鉱工業生産指数 2025年1月速報 (経済産業省)
   【経済】小売業販売額 2025年1月速報 (経済産業省)
   【経済】自動車生産・輸出実績 2024年12月 (JAMA)
   【決済】プラッツドバイ原油 2025年2月限 (東京商品)
   【経済】独雇用統計 2025年2月 (連邦雇用庁)
   【経済】独消費者物価指数 2025年2月速報 (連邦統計庁)
   【経済】仏国内総生産 2024年10-12月期確報値 (INSEE)
   【経済】仏消費者物価指数 2025年2月速報 (INSEE)
   【納会】英ブレント原油 2025年4月限 (ICE EUROPE)
   【経済】米個人所得・支出 2025年1月 (商務省)
   【経済】米シカゴ購買部協会景気指数 2025年2月 (シカゴ購買部協会)
   【商品】米建玉明細報告 (CFTC)
   【納会】米改質ガソリン・ヒーティングオイル 2025年3月限 (NYMEX)
     【工業】全米石油堀削稼動数(米ベーカーフューズ)

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