【これからの見通し】独保守勢力の勝利でややユーロ高、相場全体では決め手に欠ける 週明けはややユーロ高の動きで始まっている。ドイツ総選挙で下馬評通り、CDU・CSU保守勢力が勝利を収めた。ただ、過半数は獲得できず。第2党には極右AfDが躍進した。ショルツ首相率いるSPDは第3党に陥落、退陣を余儀なくされることとなった。行き詰まり感が強かった現政府が交代することで、市場は新たな景気対策が実施されることを期待しているようだ。 一方、ウクライナ停戦をめぐる動向には引き続き警戒感がある。トランプ米大統領はゼレンスキー・ウクライナ大統領を独裁者呼ばわりしている。ウクライナ側が資源提供について難渋していることがトランプ大統領の怒りをかっているという。ゼレンスキー氏は平和が実現するなら辞任の用意があると表明している。ただ、トランプ氏のロシア寄りとも取れる姿勢にEU側は反発している。ロシアによるウクライナ侵攻から3年が経過しており、双方とも戦争疲れは深刻だ。今週はトランプ米大統領が英首相・仏大統領と関税やウクライナ和平交渉について協議を行う。今後、どのような妥協案にまとまるのか、まだ情勢は流動的であろう。 この後の海外市場で発表される経済指標は、トルコ設備稼働率(2月)、ドイツIfo景況感指数(2月)、ユーロ圏消費者物価指数(HICP・確報値)(1月)など。ドイツIfo景況感は85.8と前回の85.1からやや上向く見込み。新政権へと期待が織り込まれる面もあり、好結果が期待されている。 発言イベント関連では、ロンバルデリ英中銀副総裁、ラムスデン英中銀副総裁、ディングラ英中銀委員などが英中銀主催「中央銀行のバランスシートの未来」会合で講演やスピーチを行う予定。米2年債入札(690億ドル)が実施される。政治関連では、米仏首脳会談がワシントンで行われる。 minkabu PRESS編集部 松木秀明
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