金相場は戻り高値を更新している。トランプ政権が鉄鋼とアルミに対する25%の関 税を発動し、欧州連合(EU)やカナダが報復関税を発表したことが警戒された。トラ ンプ政権の関税策はまだ終わりが見えてこず、今後は相互関税も予定されている。その 際は米国のサプライチェーンの混乱、コスト高が強く警戒されるのに留まらず、経済活 動そのものの停滞も警戒される。しかも、今後のトランプ政権の政策は全く予見可能性 が存在しない状況にある。安全資産に対する投資ニーズは強い。 1〜2月の急伸に対する調整局面は、大きな深堀りが回避されている。高値波乱の展 開でファンドの持ち高調整が段階に進んだことで、高値を維持した状態で持ち高調整を 進めることに成功している。金オプション市場も過熱感が抑制されおり、調整売り消化 を進めたことで身軽になった局面で、改めて押し目買いを誘うことができるかが問われ る局面になる。 (マーケットエッジ・小菅 努)
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