FOMCにドル安の反応 ドル円は148円台に急落=NY為替概況

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
FOMCにドル安の反応 ドル円は148円台に急落=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、午後のFOMCにドル安の反応が見られ、ドル円は148円台に急落。一時は150円台を回復する場面も見られていた。FRBは予想通りに政策を据え置いたが、注目されていた委員の金利見通し(ドット・プロット)は前回と変わらずの年内2回の利下げを見込んだ。また、経済見通しでは今年のGDP見通しを大幅に下方修正した一方、インフレ見通しは上方修正している。

 さらにFRBは保有資産の縮小、いわゆるランオフのペースを4月1日から減速させると発表した。エコノミストからは、この措置は利下げに等しいとの指摘も出ていた。ドット・プロットでの年内2回の利下げ見通しは、市場の期待を正当化する内容ではあるが、一部からは根強いインフレから利下げ見通しを後退させるのではといった見方や、逆に利上げシナリオなども浮上していたが、その見方は否定した格好となった。それらがドル安の反応を引き出したようだ。

 ドル円は結局、150円台を維持できずに失速した格好となっている。

 ユーロドルは序盤に1.08ドル台に値を落としていたが、FOMCを通過して下げ渋る展開となった。本日は2月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)確報値が公表になっていたが、エコノミストは、ユーロ圏のインフレが低下する中、ECBが次の2回の理事会で利下げを行う可能性が高いと指摘した。2月のユーロHICPは総合で2.3%に低下した。重要な指標であるサービスインフレも低下しており、ECBの理事がインフレが持続的に低下傾向にあると確信する可能性が高いと述べている。

 同エコノミストは「サービスインフレが引き続き低下することで、ECBは追加利下げを行うと考えている」とし、来月と6月にそれぞれ0.25%ポイントの利下げを予想しているという。

 ポンドドルもユーロドルと同様の展開。FOMC前に戻り売りが強まり、1.29ドル台半ばに値を落としていた。ここ数日、3月に入ってからの急速な買い戻しに一服感が出てきていた中、本日は戻り売りが強まっている模様。

 明日は英中銀の金融政策委員会(MPC)が予定されている。政策は据え置きが確実視されており、声明や委員の投票行動が注目を集めそうだ。エコノミストからは、金利に関する委員の投票が全会一致になる可能性は極めて低いとの指摘が出ている。

 9名の委員の投票はより均衡し、成長への下振れリスクを警告する発言が出れば、ポンドには重荷になるかもしれない。とはいえ、英中銀のガイダンスの劇的な変更を正当化するようなデータは出ておらず、年内2回の利下げを支持する市場の見方は妥当と思われるとも述べた。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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