NYプラチナ市況=大幅続落、米相互関税発表でリスク回避

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
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            始 値   高 値   安 値   帳入値   前日比
 プラチナ   (25/ 7)  1007.0     1007.1       950.3       956.6    - 38.6
         (25/10)  1018.3    1018.3       963.5       968.7    - 38.7
 パラジウム  (25/ 6)   988.50     988.50      925.50      930.80   - 54.50
         (25/ 9)   982.00     982.00      935.00      939.90   - 52.90
           推定出来高  前日出来高  前日取組高    (前々日比)
 プラチナ          49,586         29,756        79,191       (+    317)
 パラジウム          7,595          3,819        20,018       (+     43)
 注:4本値および出来高・取組高は、相場表と異なる場合があります。当該取引所か
ら電子取引を含む相場データの訂正が頻出しています。市況送信の際は細心の注意を払
っていますが、最新データは相場表でご確認ください。
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・NY為替   円    ユーロ  ・NYダウ          40,545.93  -1679.39
     前日  149.35/37   1.0843/45   ・ナスダック         16,550.61  -1050.44
     本日  146.08/10   1.1051/53   ・10年米国債利回り      4.05  -   0.14
・NY原油  (25/ 5)   66.95 - 4.76  ・SPDR保有金残高    931.94  +   0.57
注:SPDRの保有金残高は前日発表の数値。本日付けはニューヨーク時間の午後6時(日
本時間の翌日の午前8時)に更新予定。
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 プラチナ系貴金属(PGM)は大幅続落。前日比はプラチナが39.4〜35.4ド
ル安、中心限月の7月限が38.6ドル安、パラジウムが55.40〜45.60ドル
安、中心限月の6月限は54.50ドル安。
 プラチナ7月限は大幅続落。時間外取引では、金堅調を受けて高寄りしたのち、景気
後退懸念によるリスク回避の動きを受けて戻りを売られた。欧州時間に入ると、下げ幅
を拡大した。日中取引では、金の下げ一服が下支えになったが、戻りは売られた。
 パラジウム6月限はリスク回避の動きや他の貴金属の軟調を受けて売り優勢となっ
た。
 プラチナ7月限は時間外取引を963.5〜1007.1ドルのレンジで推移し、前
日比30.0ドル安の965.2ドルとなった。7月限は、米大統領の相互関税発表に
よる金堅調を受けて高寄りしたのち、景気後退懸念によるリスク回避の動きを受けて戻
りを売られた。欧州時間に入ると、下げ幅を拡大した。
 日中取引では、手じまい売りが出て950.3ドルまで下落した。その後は、金の下
げ一服や予想以下の米ISM非製造業総合指数を受けて963.1ドルまで戻したが、
戻りは売られた。
 トランプ米大統領は、貿易相手国に対し相互関税を課すと発表した。全ての輸入品に
一律10%の基本関税を課した上で、各国の関税や非関税障壁を考慮し、国・地域別に
税率を上乗せする。インフレと景気後退でスタグフレーションとなるとの懸念が高ま
り、リスク回避の動きとなった。カナダや中国、欧州連合(EU)が報復措置の可能性
を示したが、ラトニック米商務長官は非関税貿易障壁の撤廃を要求しており、交渉によ
る解決は難しいとみられている。中国には合成麻薬フェンタニルの生産停止を要求し
た。
 パラジウム6月限は、時間外取引を956.00〜988.50ドルのレンジで推移
し、前日比26.80ドル安の958.50ドルとなった。6月限は高寄りしたのち、
リスク回避の動きを受けて戻りを売られた。欧州時間に入ると、手じまい売りが出て軟
調となった。
 日中取引では、景気後退懸念を受けて売り圧力が強まると、933.50ドルまで下
落した。その後は、他の貴金属の下げ一服が下支えとなったが、945.00ドルで戻
りを売られると、序盤の安値を割り込み、925.50ドルまで下落した。
 2日のナイメックス指定倉庫在庫は、プラチナが前日比変わらずの63万0614オ
ンス、パラジウムは同変わらずの7万8876オンス。
今日の材料
・ドイツ銀行協会は、ドイツ経済は長引く低迷から非常にゆっくりと回復するとの見通
しを示し、今年の成長率はわずか0.2%にとどまるとの予想を示した。昨年9月に発
表した見通しの0.7%を下方修正した。
・3月の全米雇用報告によると、民間部門雇用者数は15万5000人増加し伸びが加
速した。ただ、関税による経済不確実性の高まりを背景に労働市場が減速しているとの
エコノミストの見方は変わらなかった。市場予想は11万5000人増。2月は7万
7000人増から8万4000人増に上方修正された。
・欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は、トランプ米大統領が打ち出す包括
的な関税措置によって特に打撃を受ける恐れがある経済分野を対象に緊急支援策を準備
している。
・欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、トランプ米大統領が発表する相互関税は
世界全体に悪影響を及ぼすと指摘した。
・欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのホルツマン・オーストリア中銀総裁は、ト
ランプ米大統領の一連の新たな関税措置で貿易戦争が触発されれば、各国中央銀行は
「非伝統的」な政策で対応を迫られる可能性があるとの見方を示した。
・2月の米製造業新規受注は前月比0.6%増加した。関税発動に備えて、企業が前倒
しで発注を行ったことが背景にあるとみられる。市場予想は0.5%増だった。
・メキシコのシェインバウム大統領は、トランプ大統領による相互関税導入発表を前
に、メキシコは米国に報復関税合戦を仕掛けるつもりはないと述べた。
・欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル専務理事は、貿易戦争で国際貿易が分断され
れば、世界のインフレ率が急上昇する可能性があるほか、経済成長が抑制される可能性
が高いと指摘した。
・欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーであるビルロワドガロー仏中銀総裁は、トラ
ンプ米政権による関税措置で、欧州で現在見られているインフレ低下が妨げられること
はないとの見方を示した。
・トランプ米大統領は閣僚や側近らに対し、実業家イーロン・マスク氏が近く現在政権
で果たしている役職から退くと明かした。
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