【場況】 金が大幅続落。ニューヨーク安と円高を受けて売り優勢で始まった。その後は、ドル 建て現物相場の下落を受けて軟調となったが、リスク回避の動きが一服すると、下げ一 服となった。銀もニューヨーク安と円高を受けて急落した。 午前11時2分現在の前営業日比は、金標準が307〜214円安、金ミニが 644.5〜157.5円安、ゴールドスポットが205円高、銀が14.7〜 12.0円安。 午前11時2分現在の出来高は、金が5万6142枚、金ミニが3万4327枚、ゴ ールドスポットが4961枚、銀が19枚。 【NY金はリスク回避の動きが圧迫】 金はリスク回避の動きを受けて急落した。中国財政省は、米国の相互関税への対抗措 置として10日から全ての米国製品に34%の追加関税を課すと発表した。貿易戦争の 激化に対する懸念が強まり、リスク回避の動きとなった。トランプ米大統領は、中国が 新たな米国の相互関税への対抗措置を発表したことについて、「中国は間違った対応を した」と述べた。 3月の米雇用統計によると、非農業部門雇用者数は22万8000人増加し、エコノ ミスト予想の13万5000人増を大幅に上回った。しかし、トランプ米大統領の関税 措置によって企業や消費者の信頼感は揺らいでおり、労働市場が今後も勢いを維持でき るかが注目される。失業率は4.2%と前月の4.1%から上昇、予想は4.1%だっ た。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は、米大統領の新たな関税措置は「予想 以上に大きく」、インフレや成長などへの影響も同様に予想以上となる公算が大きいと いう見解を示した。 ベッセント米財務長官は、新たな関税は必要な措置だと主張し、関税が米経済のリセ ッション(景気後退)を招くとの見方を否定した。関税措置を受けて世界の金融市場が 売り浴びせに直面する中、強気の姿勢を示した。50カ国余りが交渉を求めて政権に連 絡を取ってきたとしつつ、いかなる交渉も時間がかかると述べた。週明けもリスク回避 の動きが続き、株価が一段安となった。トランプ米大統領は、関税による経済的影響に ついて「何も下がってほしくないが、何かを直すためには薬を飲まなければならないこ ともある」とした。 金先限は3月13日以来の安値1万4015円を付けたのち、下げ一服となり、1万 4468円まで戻した。ニューヨーク安と円高が圧迫要因になった。円相場は1ドル= 144円台後半で円高が一服し、146円台前半の円安に振れた。銀先限は140.0 円まで下落した。 【ドル建て現物相場】 金のドル建て現物相場は、下げ一服。前週末の海外市場では、中国が米国の相互関税 に対する報復措置を発表し、リスク回避の動きを受けて売り優勢となった。アジア市場 では、朝方の2985.93ドルから、2977ドル台まで下落したのち、リスク回避 の動きが一服すると、下げ一服となった。 午前11時現在、金が3037.99ドル、銀は3043セントで推移。前営業日の 大引け時点は金が3102.05ドル、銀が3142セント。 MINKABU PRESS
みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。